世界最速のGTカーによる高次元の戦いは新時代へ
世界で最もアツいモータースポーツ、それがSUPER GT
いまや日本国内で最も人気を集めるモータースポーツと言えるSUPER GT。日本はもちろん、東南アジアやヨーロッパ、北米でも注目を集めている、インターナショナルカテゴリーだ。
SUPER GTはもともと、1994年に正式にスタートした全日本GT選手権(JGTC)がそのルーツ。世界的にスポーツカーレースがGTカーによって争われるのが主流となった頃に、よりファンが楽しめ、市販スポーツカーに近いレースとして立ち上がったのがJGTC。ちなみに、チーム国光はシリーズ初年度である1994年からJGTCに参戦を開始。94年からずっとシリーズに参加しているのは、チーム国光含め数チームしかない。
SUPER GTでは、JGTCの発足当初から参戦マシンが2クラスに分けられている。ひとつは500馬力程度のマシンが走るGT500、もうひとつは300馬力程度のマシンで争われるGT300。パワーが異なるマシンがひとつのレースを走ることで、レース中に予想もつかないバトルが展開され、思いもよらないドラマが起きる。これこそSUPER GTの最大の魅力のひとつだ。
より国際的なシリーズへ。世界が注目するGT500クラス
チーム国光が戦うのは、GT500クラス。JGTCの黎明期は国産スポーツカーと高性能な外国車が争うクラスだったが、いつしかHonda、レクサス(トヨタ)、日産という3メーカーがGT500クラスの主役となった。チーム国光は1996年からHonda NSXを使用し、2010年からHonda HSV-010 GTでGT500クラスに参戦を続けている。
GT500クラスで使用される車両は、規定によって少しずつその改造範囲が変化していき、2000年頃から“世界最速のGTカー”と呼ばれるほどその性能が高められているが、2014年はそんなGT500クラスにとって大きな転機となる年だ。
それは、ドイツを中心に争われているDTMドイツツーリングカー選手権とGT500クラスの間で、車両規定を統一。今季からGT500クラスは今までとまったく異なるマシンで争われることになるからだ(2014年はエンジン形式など、細部が両者で異なる)。この統一規定は将来的にアメリカでも導入される予定がある世界的なもの。SUPER GTはまさに世界へ通じるシリーズに発展しており、2014年はその元年と言える。
Hondaはこの新規定に合わせ、2015年に全世界で販売を予定している新スポーツカー、NSXの誕生に先駆けた『NSX CONCEPT-GT』を開発。チーム国光は2014年、この新型『NSX CONCEPT-GT』を使用する。2014年は、今までとは異なる戦いが展開されるはずだ。
SUPER GTのさまざまな魅力とは
SUPER GTにとって、欠かすことができない大きな魅力となっているのがGT300クラスの存在だ。日欧のスーパースポーツがしのぎを削るこのカテゴリーは、国産車をベースに大きな改造を施しパフォーマンスを上げるJAF-GT規定車両と、ヨーロッパのスーパーカーに小改良を施し、プライベートチームが使用するFIA-GT3規定車両というふたつに大きく分けられる。GT500クラスもそうだが、タイヤメーカーによる争いもあるのが魅力だ。
また、SUPER GTの大きな魅力になっているのが、さまざまなレース距離が混在していること。短いレースでは250km、最長で1000kmという耐久レース形式のものがあり、戦術も変化していく。SUPER GTでは必ず2名以上(3名乗車が可能なレースもある)乗り込まなければならず、ピットインは必ず行わなければならない。ドライバー両名とも速さはもちろん、レースをしっかりと戦いぬく高いスキルが必要で、かつ給油時間を含むピット作業の速さ、戦術なども世界屈指のレベルが求められる。
観戦に訪れるファンの皆さんに楽しんでいただくため、ピットに訪問でき、ドライバーに接することができるピットウォークや子ども向けのキッズウォークなど、レースウイークのサーキットはレース観戦以外にも多くのイベントが開催されている。
チャンピオン獲得のために必要な“条件”。
そんなSUPER GTでチャンピオンを獲得するには、レース1戦ごと以外にも独特の戦略が求められる。SUPER GTでは、JGTC発足当初から特有のウエイトハンデシステムが導入されており、レースで上位に入賞すると、重りをマシンに搭載していかなければならない。いわば“ひとり勝ち”を防ぐシステムだが、ウエイトハンデを積んだ中でも絶えず上位に食い込み、ポイントを重ねなければチャンピオンは遠くなっていく。SUPER GTでは1年を通して、常に高いレベルで戦わなければならないのだ。
シリーズランキングは各レースでの獲得ポイントの累計によって争われ、最終戦終了時の獲得ポイント数により、ドライバー部門とチーム部門のシリーズランキングが決定される(チーム部門についてはゼッケン番号を基準とする)。また、レース結果により下記表にあるポイントがドライバーおよびチームに与えられるほか、走行ラップ数によるポイントも与えられることになる。
ポイントシステム
シリーズランキングは各レースでの獲得ポイントの累計によって争われ、最終戦終了時の獲得ポイント数により、「ドライバー部門」と「チーム部 門」のシリーズランキングが決定される(「チーム部門」についてはゼッケン番号を基準とする)。
また、レース結果により表にあるポイントがドライバーおよびチームに与えられるほか、走行ラップ数によるポイントも与えられることになる。
ドライバーポイント
チームポイント
※予選Q2において最高タイムを達成した競技車両のドライバーに対し1点が授与される。