STANLEYTEAM KUNIMITSU

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2011 SUPER GT

2011 SUPER GT
第1レース 公式予選レポート

 3日間のイベントでは、まず大会初日の金曜日にSUPER GTの第1、第2レースの予選が行われる。TEAM KUNIMITSUでは、第1レースに山本尚貴、第2レースに伊沢拓也を登録。早速午前9時30分からの公式練習に挑んだ。コース上はあいにくの雨。気温12度、路面温度11度のまま1時間のセッションが行われたが、途中強まる雨に足元をとられ、コースアウトするクルマも見られるなど、不安定な中での走行が続けられた。その中でも、No.100 RAYBRIGHSV-010は安定した速さをアピールし、1分50秒766をマーク。ホンダ勢トップのポジションでフリー走行を終えた。GT500の予選は、まず午後2時20分に第1レース用タイムアタックが始まる。気温12度、路面温度13度と朝のセッションと大差なく、雨も引き続き降っている。走行を始めたクルマの後方からはしっかりと水煙が上がり、タイムアップのタイミングが難しいセッションになることを予感させた。その中で、アタックを行った山本は、1分49秒032のタイムをマークし、8番手。ホンダ勢のトップからわずか0.06秒という差に悔しさをにじませた。「すごい雨の中でアタックしたとはいえ、みな同じ条件だし。その中でも雨量が少ないときにアタックしましたが、ちょうどそのとき前との間隔が詰まってしまい、いったん間を開けたんです。そしたらその周に雨が強くなってしまい…。今回、クルマのバランスがすごくよくて、手応えがありました。自信もあったのですが、タイミングが合わなかったということです。でも、決勝はガチンコ勝負。しっかり戦って気持ちよく終わりたいと思います」と年に一度のスプリントレースに向けて、意欲を示した。第2レース用タイムアタック開始は、午後3時25分を予定していたが、雨は強くなる一方。ひと足先に行う予定だったGT300の予選開始時間が2度にわたって延期されることになり、さらには日没も近づいてきた。結局、このままで走行を行うと危険を伴うという判断が下され、その後の走行セッションはすべて中止に。SUPER GT第2レース予選は土曜日へ順延されることが決定した。

第1レース 公式予選結果
Po No Machine Tire Driver Time
146S Road MOLA GT-RMIR.クインタレッリ1'47.212
26ENEOS SUSTINA SC430BS大嶋 和也1'47.578
324ADVAN KONDO GT-RYHB.ビルドハイム1'47.750
412カルソニック IMPUL GT-RBSJ-P.オリベイラ1'48.374
523MOTUL AUTECH GT-RBSB.トレルイエ1'48.633
636PETRONAS TOM'S SC430BSA.ロッテラー1'48.733
78ARTA HSV-010BS小林 崇志1'48.972
8100RAYBRIG HSV-010BS山本 尚貴1'49.032
91ウイダー HSV-010BS小暮 卓史1'49.256
1038ZENT CERUMO SC430BS平手 晃平1'49.283
1119WedsSport ADVAN SC430YH片岡 龍也1'49.371
1232EPSON HSV-010DL中山 友貴1'50.113
1335D'STATION KeePer SC430BS脇阪 寿一1'50.283
1417KEIHIN HSV-010BS塚越 広大1'50.371
1539DENSO SARD SC430MI石浦 宏明1'51.081
第2レース 公式予選レポート

 金曜日の予選が順延された第2レース。大会2日目の午前8時5分からGT500クラスのタイムアタックが始まった。前日とはうって変わり、天候は晴れ。だが、前日の雨がコース上に残っており、セミウェットの状態だ。場所によっては少し水煙が上がるところもあるなど、路面コンディションに見合うタイヤを見極めるのがかなり難しいと思われた。気温17度、路面温度20度でセッションがスタート。雨でも安定した速さをしっかりアピールできるという自信があった伊沢拓也は満を持してアタックを開始。着実にタイムを削り落とし、1分43秒608をマーク。セカンドロー、ホンダ勢トップの4番手獲得に成功した。「前回、最終戦のもてぎでもいいパフォーマンスが出せる状態でしたし、雨になってもウチはクルマの調子も良かったので、アタックには自信をもって走ることができました。4番手ですが、これでもブリヂストンタイヤでのトップタイムですしね。確かに欲を言えば、まだポジションは上げたかったですが、決勝でうまくスタートを切れば楽しいレースができると思います。クルマは富士に入ってから、ほとんどセット変更はしていません。そのくらいいいんです。天候に合わせた仕様に変えるだけで、なにも問題ありません」と、伊沢も手応えたっぷりの様子。シリーズ戦で果たせなかったベストリザルトを求め、より一層気合が入っていた。

第2レース 公式予選結果
Po No Machine Tire Driver Time
146S Road MOLA GT-RMI柳田 真孝1'43.017
232EPSON HSV-010DL道上 龍1'43.061
324ADVAN KONDO GT-RYH安田 裕信1'43.259
4100RAYBRIG HSV-010BS伊沢 拓也1'43.608
519WedsSport ADVAN SC430YH荒 聖治1'43.852
612カルソニック IMPUL GT-RBS松田 次生1'43.883
738ZENT CERUMO SC430BS立川 祐路1'43.948
823MOTUL AUTECH GT-RBS本山 哲1'44.098
91ウイダー HSV-010BSL.デュバル1'44.160
1039DENSO SARD SC430MI井口 卓人1'44.281
116ENEOS SUSTINA SC430BS伊藤 大輔1'44.605
1235D'STATION KeePer SC430BSA.クート1'44.934
1336PETRONAS TOM'S SC430BS中嶋 一貴1'44.972
1417KEIHIN HSV-010BS金石 年弘1'44.993
158ARTA HSV-010BS武藤 英紀1'45.680
第1レース 決勝レポート

 大会2日目は朝から青空がサーキット一面に広がり、次第に気温も上昇。午後に入ってからやや雲が多くなったものの、比較的穏やかな天候に恵まれ、レース観戦には絶好の天候となった。気温16度、路面温度18度の中、22周のスプリントレースが始まった。スタンディングスタートという、通常のSUPER GTと異なり、まるでフォーミュラカーを操るような感覚でスタートを決めなければならない。レッドシグナル消灯後、いっせいに1コーナーへとクルマが吸い込まれていく中、No.100 RAYBRIG HSV-010をドライブする山本は自身難なくスタートを切ったにも関わらず、1コーナーを我先にと進入していく他車のアクシデントに運悪く巻き込まれ、ポジションダウン。11番手でオープニングラップを終えることになった。なんとしても挽回しようと山本は懸命に走行。ところが、思いの外ペースが上がってこない。1コーナーのアクシデントでクルマにダメージを受けたわけでもなかったが、クルマが持つポテンシャルを十二分に引き出せない状況で周回することを強いられた。後半に入り、ややリズムが生まれてきてからは自己ベストタイムをマークするなど、心地よい緊張感を保ちながら戦いに挑むことになったが、数々のバトルを繰り広げるという展開には発展せず。それでもホンダ勢トップとなる8位を手にしている。

第1レース 決勝結果
Po No Machine Tire Driver Time
146S Road MOLA GT-RMIR.クインタレッリ35'18.666
212カルソニック IMPUL GT-RBSJ-P.オリベイラ0'00.541
335D'STATION KeePer SC430BS脇阪 寿一0'13.823
436PETRONAS TOM'S SC430BSA.ロッテラー0'14.117
538ZENT CERUMO SC430BS平手 晃平0'24.712
619WedsSport ADVAN SC430YH片岡 龍也0'24.722
76ENEOS SUSTINA SC430BS大嶋 和也0'26.410
8100RAYBRIG HSV-010BS山本 尚貴0'29.119
939DENSO SARD SC430MI石浦 宏明0'37.547
108ARTA HSV-010BS小林 崇志0'40.224
1117KEIHIN HSV-010BS塚越 広大1'27.504
1223MOTUL AUTECH GT-RBSB.トレルイエ0'59.946+45秒
1332EPSON HSV-010DL中山 友貴1Lap
-24ADVAN KONDO GT-RYHB.ビルドハイム17Laps
-1ウイダー HSV-010BS小暮 卓史21Laps
第2レース 決勝レポート

 大会最終日の日曜日。前日から引き続き爽やかな日差しに恵まれ、小春日和の中でのイベント実施となった。日を追うごとに観客が増え、土曜日は2万3千人の観客が来場。そして、最終日には4万500人がサーキットへと足を運び、3日間合計でおよそ7万700人のモータースポーツファンが年に一度のスペシャルイベントにおける楽しみに興じていた。GT500第2レースは午後3時25分にスタート。第1レースと同じ22周での戦いとなる。前日、ドライコンディションのレースを一足先に終えていた山本からのフィードバックをもとに、クルマを用意したチームが伊沢をコースへと送り出す。気温20度、路面温度23度と前日よりもやや高い数値を刻み、穏やかな天候の下で今年最後のSUPER GTレースが幕を開けた。スタートを完璧に決めた伊沢。まさしくロケットスタートのごとく、あっという間にトップに立って、1コーナーへと突入。これにはポールポジションを含む上位3台のクルマがついていけず。いきなりの逃げ切り態勢を築き上げるチャンスを手にした伊沢は、このあとも攻めの走りに特化した。2番手につけるのは、今シーズンのチャンピオンカー、46号車。序盤は0.4~0.6秒という僅差をキープし、逆転のスキを与えない。レース中盤以降も2台の差にはほとんど変化が見られないほどの緊迫したレース展開だったが、伊沢は難なく後続車をシャットアウト。終盤に入ると、この差が次第に開き始め、最後には2秒半以上も差をつけてトップチェッカー! 待ちに待ったNo.100 RAYBRIG HSV-010の勝利がここに実現することになった。伊沢、そして山本の若手コンビで挑んだ2年目のシーズン。長いトンネルが続き、光を探しての苦しいシーズンではあったが、着実に出口が見えているという手応えも感じ取っていた。それがようやく今大会で大きく花開く結果を残すことになった。ドライバーはもちろん、高橋国光監督を筆頭に、チーム全員が歓喜そして安堵に包まれた今回の勝利。新たなステップを踏み出すことになった今、目標は来シーズンでの「勝利」に他ならない。

第2レース 決勝結果
Po No Machine Tire Driver Time
1100RAYBRIG HSV-010BS伊沢 拓也35'23.326
246S Road MOLA GT-RMI柳田 真孝0'02.685
317KEIHIN HSV-010BS金石 年弘0'06.702
46ENEOS SUSTINA SC430BS伊藤 大輔0'07.056
51ウイダー HSV-010BSL.デュバル0'08.361
635D’STATION KeePer SC430BSA.クート0'11.838
736PETRONAS TOM’S SC430BS中嶋 一貴0'14.368
839DENSO SARD SC430MI井口 卓人0'16.696
924ADVAN KONDO GT-RYH安田 裕信0'22.455
1019WedsSport ADVAN SC430YH荒 聖治0'25.638
1123MOTUL AUTECH GT-RBS本山 哲0'27.758
1238ZENT CERUMO SC430BS立川 祐路0'30.156
1332EPSON HSV-010DL道上 龍0'40.322
-12カルソニック IMPUL GT-RBS松田 次生20Laps
-8ARTA HSV-010BS武藤 英紀20Laps
高橋国光監督

伊沢君がついに期待に応えてくれましたね。僕が願っている伊沢君の姿に近づいたレースをしてくれました。そういうレースができるクルマに仕上げてくれた、チームスタッフにも本当に感謝しています。またそこでドライバーがきちんと力を発揮してくれました。モータースポーツは道具を使って行うものですから、その道具をドライバーが100%使い切るための努力をしなければなりません。今回、伊沢君はそのカベを乗り越えることができました。来年からはさらに上のステップで頑張ってもらいたいものです。山本君も今回のレースでまたたくさん勉強ができたと思います。ふたりともこれからも100%のチャレンジする気持ちを持ち続けて、さらに頑張ってほしいですね。応援してくださっている人たちの声、期待に応えることができて、本当に良かったです。ありがとうございました。

伊沢拓也選手

僕も今日のこの勝利を待ってました。キーポイントはやっぱりスタートです。でもそのあとのペースもやっぱり大事でしたし、タイヤもマシンもすべてみんなの思いも一緒に走りました。今日のレースでは、山本とはいつものS-GTみたいに一緒に走ってはいませんが、彼の昨日のレースがあって今日のクルマが仕上がっているので、彼にも感謝しています。ライバル車がタイヤの持ちにビックリしていたと聞きましたが、僕もタイヤがタレなかったのを感じていました。シーズン中は本当に色々と苦労した部分もありましたが、BSさんがスゴく頑張ってくれて…。今日は来年につながるレースができたと思います。なによりも高橋監督に喜んでもらってほんとーに良かった!っていう思いが強いです。最終ラップを前に、残り2周くらいのときから頑張ってはしっているわりにはペースが上がらないんで、自分でも緊張してんだ、っていうことはわかっていました。

山本尚貴選手

僕のレースではスタートで1コーナーのアクシデントに巻き込まれ、ポジションを落としてしまいました。ペースをあまり上げれなくて、ちょっと苦しい状態でした。クルマにはダメージを受けることはなかったんですが…。気がついたらホンダトップの8位でしたが、やはりちょっと残念な結果でした。翌日の伊沢さんのレースのために、自分がドライブしたクルマの状況はしっかりとチームに伝えました。クルマのバランスがちょっと取れていなくて…。僕は満足な結果が残せなかったのですが、伊沢さんがしっかりと走れるようなクルマに仕上げることが僕の仕事だと思ってましたから、レースを見ているときはすごく責任を感じていましたね。いつになく緊張しました。その中で勝ってくれたので本当にうれしいです。コンビになって2年、チームの人たちにいろんな苦労も迷惑もかけたり、スゴク大変な時期もありましたが、今週末のクルマは一切のトラブルもなく、レースができました。優勝は伊沢さんとチームの人たちが勝ち取ったものだと思います。こういう環境で走らせてもらえることにとても感謝していますし、今度は一緒に表彰台に立ちたい。富士で勝ったことはすごく大きいですが、来年こそ公式戦で一緒に表彰台に立って、みんなと喜びたいと強く思いました。

手塚長孝オペレーテイングテクニカルディレクター

これまでなんとかいい形にクルマを仕上げることはできていましたが、ようやくここではっきりとした形になって、結果を残すことができました。本当にうれしいです。山本はスタート一瞬良かったんですが、ホイールスピンしたんでちょっと遅れ、また、雨のセットからドライセットに変更したことでちょっとバランスが悪くなってしまいました。それで、いききれてなかったというのがありました。でも逆に山本が先にああいう風に走ってくれたことによって、クルマのバランスを的確に教えてくれたこともあり、伊沢のレースに向けて修正した結果、優勝できた、っていうことです。チームワークですね。また伊沢は、スタートには絶対の自信があったみたいです。まさに有言実行ですね。シーズンをいい形で締めくくることができて、本当に良かったと思います。これがまた次の自信になります。ドライバーもそうですが、チームにとっても良かったです。最後にきっちりと仕事をしてくれてよかったです。来年にむけてもいい流れができました。ファンの皆さんには、長らくお待たせしました、という感じです。この勢いを来年もキープし、さらに頑張ります。

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