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2011 SUPER GT

2011 SUPER GT
公式予選レポート

 朝のセッション終了後、雨も上がり次第に路面も乾き始めていたが、午後12時25分スタートの予選1回目では、ウェット宣言が出された。もちろん、多くのクルマがそうしたように、No.100 RAYBRIG HSV-010もドライタイヤでコースイン。まずは予選通過基準タイムクリアのため、GT300との混走枠で山本尚貴が出走した。その後ステアリングを引き継いだ伊沢拓也は、まずユーズドタイヤでコースイン。混走枠でセットなどの最終確認をし、GT500占有走行に挑むつもりだった。ところが、後半、GT300の車両がシケインで飛び出してコース上にストップ。加えて雨が再び降り始めたため、セッションは赤旗中断に。これで計測の機会を失った伊沢は、存分な確認もできぬまま占有でのアタックを迎えることに。チーム内にはいつも以上に緊張感が広がったのは、言うまでもない。GT500占有走行は午後1時39分にスタート。スーパーラップへの進出目指し、トップ10入りすることが求められる。伊沢はここぞとばかりに渾身のアタックを見せ、1'16.840のタイムをマーク。2番手でスーパーラップへの進出を決めた。
 そして迎えたスーパーラップ。GT300クラスのアタック時から雨が再び強くなり、完全なウェットコンディションとなった。No.100 RAYBRIG HSV-010は、10台中9番目に登場。「(雨だった)朝の練習走行が全然ダメだったので、(スーパーラップも)ちょっと不安でしたが、ピットアウトした瞬間からクルマのフィーリングが良かった」と伊沢。確たる自信をもってアタックに挑み、コースの一部に川が流れるという不安定なコンディションの中でも果敢に攻め、1'31.037のタイムをマーク。ブリヂストン勢トップタイムとなる5番手のポジションを獲得した。「クルマをうまくセッティングしてくれたので、気持ちよくアタックできました」と伊沢。練習走行から予選1回目にかけては思うようにタイムが出せず、やや不安もあったようだが、「今回は絶対に速さをしっかりとアピールしたかった」という本人の強い気持ちが、存分な走りにつながったようだ。一方の山本も、「いつもチームは予選順位を気にかけていたので、今回いい結果が残せてよかった」と笑顔。「伊沢さんが熱い走りを見せてくれたので、僕も明日はガンバろうという気持ちになりました。明日ウェットになると不確定要素が増えると思いますが、最後までしっかりコースに残るだけでなく、その中でしっかりと攻めていきたいです」とヤル気を見せた。

公式予選結果
Po No Machine Tire WH Driver Quarify #1 Super Lap
146S Road MOLA GT-RMI42柳田 真孝R.クインタレッリ1'16.1451'26.355
239DENSO SARD SC430MI10石浦 宏明井口 卓人1'17.3161'28.601
324ADVAN KONDO GT-RYH28安田 裕信B.ビルドハイム1'17.2331'30.219
432EPSON HSV-010DL2道上 龍中山 友貴1'17.1671'30.625
5100RAYBRIG HSV-010BS38伊沢 拓也山本 尚貴1'16.8401'31.037
636PETRONAS TOM'S SC430BS42A.ロッテラー中嶋 一貴1'17.2451'31.107
717KEIHIN HSV-010BS50金石 年弘塚越 広大1'17.2921'32.515
835D'STATION KeePer SC430BS2脇阪 寿一A.クート1'17.3211'32.960
938ZENT CERUMO SC430BS30立川 祐路平手 晃平1'17.3021'33.124
1012カルソニック IMPUL GT-RBS40松田 次生J-P.オリベイラ1'17.102タイム無効
111ウイダー HSV-010BS48小暮 卓史*L.デュバル1'17.462
126ENEOS SUSTINA SC430BS36伊藤 大輔大嶋 和也*1'17.592
1323MOTUL AUTECH GT-RBS52本山 哲B.トレルイエ*1'17.885
1419WedsSport ADVAN SC430YH22片岡 龍也*荒 聖治1'18.143
158ARTA HSV-010BS8武藤 英紀小林 崇志*1'18.385
決勝レースレポート

 迎えた決勝日。朝9時10分からのフリー走行もまた雨になった。気温21度、路面温度は23度と前日より涼しく、またうす曇となり、“真夏の一戦”にはほど遠い状態。そんな中、走行車両がオイルならぬガソリン漏れを引き起こし、その処理のためにセッションは赤旗中断となった。一方で作業中に雨は上がり、今回のレースウィークは“猫の目”のような天気に翻弄され続けることに。その後、天気は曇天模様ながらやや安定感を増してくる。戦いを目前にしたダミーグリッド上の気温や路面温度は午前中とほぼ変化はなかったが、それ以上の熱気がコース上を包み込み、蒸し暑さを感じるほどだった。そんな中、午後2時、68周に及ぶ戦いが幕を開ける。No.100 RAYBRIG HSV-010のスタートドライバーは伊沢。ポジションキープの走りを長らく見せるも、次第に後続の17号車が近づいてくる。タイヤの磨耗も予想以上に早く、自分たちのペースでレース運びをするのが難しくなってきたと判断したチームでは、24周終了でのピットインを決断。伊沢をピットに呼び戻した。
 ピット作業は無事に終了、変わって山本がコースに向う。ライバルたちよりも早めにピットインを済ませ、徐々に空いてくるコース上でできるだけタイムを稼ぐ、というのが狙いのひとつでもあったのだが…。山本が「僕のスティント序盤はペースもよかったんですが、だんだん後から差を詰められてしまった」とレース後に振り返ったように、伊沢から託された5番手のポジションをキープするものの、ペースアップするのが難しい状態へと変わってしまった。前車を猛追するのではなく、後続からの猛攻をしのぐ戦いとなった山本のSUGO戦。アップダウンのあるコースレイアウト、タイトなコース幅を持つこのサーキットでは、小さなことでも大きな変化をもたらすことが多くある。ならばと、いい意味での「魔物」登場を狙ったのだが…。後続の6号車との攻防戦は観客を大いに沸かし、スリリングなバトルになったが、66周目の1コーナー進入で惜しくも6号車の先行を許してしまった。さらに続く4コーナー立ち上がりでは、ポジション奪回のチャンスとばかり、6号車のイン側に飛び込むも、やや強引だったことから2台は接触。レース後、このアクシデントがドライブスルーペナルティ同様のタイム加算の対象となる。よって、6位でフィニッシュラインを通過したNo.100 RAYBRIG HSV-010だが、そのタイムに30秒加算のペナルティが下され、7位でレースを終えることになった。

決勝レース結果
Po No Machine Tire WH Driver Time Best Time
146S Road MOLA GT-RMI42柳田 真孝R.クインタレッリ1h33'14.1621'17.420
239DENSO SARD SC430MI10石浦 宏明井口 卓人0'22.3601'18.054
332EPSON HSV-010DL2道上 龍中山 友貴0'23.8541'18.638
424ADVAN KONDO GT-RYH28安田 裕信B.ビルドハイム0'35.5161'18.345
56ENEOS SUSTINA SC430BS36伊藤 大輔大嶋 和也0'43.8901'19.183
617KEIHIN HSV-010BS50金石 年弘塚越 広大0'45.9341'19.118
7100RAYBRIG HSV-010BS38伊沢 拓也山本 尚貴1'15.1811'19.461
819WedsSport ADVAN SC430YH22片岡 龍也荒 聖治1Lap1'19.506
936PETRONAS TOM'S SC430BS42A.ロッテラー中嶋 一貴1Lap1'19.722
108ARTA HSV-010BS8武藤 英紀小林 崇志1Lap1'19.636
1138ZENT CERUMO SC430BS30立川 祐路平手 晃平1Lap1'19.222
1223MOTUL AUTECH GT-RBS52本山 哲B.トレルイエ1Lap1'19.659
1312カルソニック IMPUL GT-RBS40松田 次生J-P.オリベイラ3Laps1'19.054
-35D'STATION KeePer SC430BS2脇阪 寿一A.クート33Laps1'19.352
-1ウイダー HSV-010BS48小暮 卓史L.デュバル48Laps1'19.381
高橋国光監督

今日は難しいレースになりました。ただ、予選では、アタックを担当した伊沢君が強い気持ちをもって出走してくれたのがとてもよかったですね。うれしいことでした。一方で、決勝の順位はあまり思わしくないものでしたし、残念なところもありました。結果が残せなかったのは悔しいですが、次の鈴鹿でふたりが今回勉強したところを改めて見せてもらえるといいなと思います。

伊沢拓也選手

個人的にはセパンよりもずいぶんすっきりした感じでレースを終えることができたと思います。今日はこのままBS勢トップでいけるだろうと思っていましたが…。(6号車との接触は)攻めた結果の出来事なので、仕方ないと思います。今回ドライバーふたりがともに追いかけられる立場でレースをすることになりましたが、そのぶん勉強もできたので、今後に活かしていきたいと思います。

山本尚貴選手

序盤こそいいペースで走っていたのですが、どんどんペースが上がらなくなって…。そして差を詰められてしまいました。ポジションを守り抜きたいという気持ちが前に出すぎてしまいましたね。抜きにいったことは後悔していないのですが、あとから落ち着いて考えると、あの状況で6号車を抜くのは難しかったと思います。反省すべき点は反省し、良かった部分はそのままにまた次につなげていきたいと思います。

手塚長孝オペレーテイングテクニカルディレクター

今日はいいレース展開ができたと思います。まず伊沢は予選でいい仕事をしてくれましたし、状況を考えるといいアタックだったと思います。レースではやわらかめのタイヤでスタートしたため、早めのピットインとなりました。山本は、ずいぶんと長い間、うしろから追われることになったので、その都度ガンバレと無線で伝えました。でも彼自身、冷静に後続車を良く見ながら押さえていたと思います。次回の鈴鹿ではいい流れはそのままに、そろそろまた表彰台に上がりたいですね。

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