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2011 SUPER GT

2011 SUPER GT
公式予選レポート

 9月といえども気温、湿度ともに高く、この時期の富士としては珍しい蒸し暑さを感じた午前の天気から一転、予選を控えた午後に入ると、上空には薄い灰色の雲が一面に広がった。だが、気温は30度、路面温度は43度とまだ暑さが残っている。そんな中、予選1回目が午後1時から始まった。今回の予選ではスーパーラップ方式を採用しているため、まず1回目のアタックでチームドライバーふたりが予選通過基準タイムをクリアすることが大前提となる。No.100 RAYBRIG HSV-010はふたり揃って基準タイムを難なくクリア。次のミッションは、GT500の上位10台に入り、スーパーラップへと進出することだったのだが…。
 10分間のGT500占有走行において本格的なアタックが始まると、終了間際に続々とベストタイムを更新するライバルとは対照的に、No.100 RAYBRIG HSV-010は思うようにタイムが伸びてこない。気温30度、路面温度40度というコンディションの中、クルマのパフォーマンスをうまく引き出せるまでには至らないのか、アタックを担当した伊沢拓也がマークしたタイム、1’35.868は15番手の結果に留まり、惜しくもスーパーラップへの進出を果たせぬまま予選を終えることになった。アタックを担当した伊沢によると、朝の練習走行を経て予選に向けての微調整を行ったものの、思いのほかタイムが伸びずに戸惑ったという。だが、「もともと僕らのクルマはレースのパフォーマンスで安定した速さがあるので、明日のレースでは後方から追い上げていくだけ」と力強くコメント。決勝での躍進に期待がかかった。

公式予選結果
Po No Machine Tire WH Driver Quarify #1 Super Lap
146DENSO SARD SC430MI52石浦 宏明井口 卓人1'34.1221'34.411
239ZENT CERUMO SC430BS30立川 祐路平手 晃平1'34.7881'34.525
324ENEOS SUSTINA SC430BS54伊藤 大輔大嶋 和也1'35.0041'34.688
432D'STATION KeePer SC430BS10脇阪 寿一A.クート1'34.8741'34.708
5100PETRONAS TOM'S SC430BS56A.ロッテラー中嶋 一貴1'35.2301'34.745
636ARTA HSV-010BS14武藤 英紀小林 崇志1'35.5071'35.315
717S Road MOLA GT-RMI100柳田 真孝R.クインタレッリ1'34.3501'35.430
835ウイダー HSV-010BS88小暮 卓史L.デュバル1'35.3411'35.431
938EPSON HSV-010DL24道上 龍中山 友貴1'35.5141'35.568
1012KEIHIN HSV-010BS60金石 年弘塚越 広大1'35.2741'35.616
111MOTUL AUTECH GT-RBS68本山 哲B.トレルイエ1'35.561
126ADVAN KONDO GT-RYH46安田 裕信B.ビルドハイム1'35.637
1323カルソニック IMPUL GT-RBS62松田 次生J-P.オリベイラ1'35.647
1419WedsSport ADVAN SC430YH28片岡 龍也荒 聖治1'35.847
158RAYBRIG HSV-010BS46伊沢 拓也山本 尚貴1'35.868
決勝レースレポート

 日曜の朝もうす曇となった富士スピードウェイ。次第に雲行きが怪しくなり、午前8時20分から始まるフリー走行を前にして、ついに雨が降り始めた。風を伴った霧雨は、あっという間にコースを濡らし、ウェットコンディションへと変えてしまう。ピット前でコースインの準備をしていたNo.100 RAYBRIG HSV-010も、タイヤはもちろんのこと、すぐさまレイン仕様のセットに調整を行い、コースへ。前日の予選で上位につけたライバルたちと遜色のないタイムを刻むパフォーマンスを見せ、このセッションを6番手のポジションで終了した。結局、まとまった雨は僅か半時間で終了。午後に向けて天候は順調に回復し、午後2時からの55周の戦いはドライコンディションで行われることに。気温29度、路面温度39度の中、フォーメーションラップがスタート、No.100 RAYBRIG HSV-010に乗り込んだ伊沢がオープニングラップで2台をパスし、順調な幕開けを迎えた。その後も伊沢はポジションアップのチャンスを伺いながら周回を重ね、着実にチャンスをモノにつかんでいく。もともとNo.100 RAYBRIG HSV-010は決勝での粘り強さを持っており、伊沢も激しい混戦の中でその実力を存分に引き出す走りを披露し、10位までポジションアップ。25周終了時点でピットインを行った。ルーティンワークも無事に完了。
 伊沢に代わり山本が新たにコースへと向かう。周囲のライバルたちもほぼ似たようなタイミングでピットインを行っており、ここは再びさらなるポジションアップを狙いたいところだ。しかし、山本はスティント前半でうまく流れをつかむことができなかったのか、攻防の末にライバルの先行を許し、追う立場から走行を続けた。だが序盤こそリズムに乗れず苦戦した山本も、次第に周りのライバル達を上回るラップタイムを刻み始め、改めて追撃のチャンスが巡ってくる。まるで虎視眈々、山本は速さを武器にタイミングよくライバルを攻略。クリアなバトルを展開しつつ、逆転に逆転を重ねて5位へとポジションアップを果たした。このように決勝で伊沢、山本両選手が緩急をつけた走りを見せた結果、No.100 RAYBRIG HSV-010は5位でチェッカードフラッグを受けることに成功。終盤戦に向けて再びいい流れを作る形で富士の戦いを終えることになった。

決勝レース結果
Po No Machine Tire WH Driver Time Best Time
138ZENT CERUMO SC430BS30立川 祐路平手 晃平1h30'47.5251'36.730
212カルソニック IMPUL GT-RBS62松田 次生J-Pオリベイラ0'25.4681'36.958
317KEIHIN HSV-010BS60金石 年弘塚越 広大0'25.5731'36.986
41ウイダー HSV-010BS88小暮 卓史L.デュバル0'31.4961'37.108
5100RAYBRIG HSV-010BS46伊沢 拓也山本 尚貴0'50.3031'37.511
623MOTUL AUTECH GT-RBS68本山 哲B.トレルイエ0'54.0221'37.356
746S Road MOLA GT-RMI100柳田 真孝R.クインタレッリ1'01.0881'36.997
839DENSO SARD SC430MI52石浦 宏明井口 卓人1'05.5931'36.513
935D'STATION KeePer SC430BS10脇阪 寿一A.クート1'11.1311'37.252
106ENEOS SUSTINA SC430BS54伊藤 大輔大嶋 和也1'12.6401'37.087
1124ADVAN KONDO GT-RYH46安田 裕信B.ビルドハイム1'12.6961'37.351
1232EPSON HSV-010DL24道上 龍中山 友貴1'14.9971'37.446
1319WedsSport ADVAN SC430YH28片岡 龍也荒 聖治1'34.0411'37.563
148ARTA HSV-010BS14武藤 英紀小林 崇志4Laps1'37.147
1536PETRONAS TOM'S SC430BS56A.ロッテラー中嶋 一貴7Laps1'37.225
高橋国光監督

予選までは、今回のレースがどういうことになるのやらと皆さんにも大変ご心配をおかけすることになり、決勝では何が何でもチェッカーを受けて欲しいという願いで送り出すことになりました。しかしながら、激しいレース展開の中、ふたりのドライバーはアクシデントを寄せ付けることなく、力強い走りを見せてくれて、その結果、5位という大変いい状況でレースを終えてくれました。ドライバーはもちろん、チームスタッフもファンの皆さんの声援に応えたいという一心だったのでしょう。チームでは前回厳しい結果に甘んじていたのですが、ドライバーはそこで学んだことを富士では形として証明してくれました。成長を感じますね。一方で、今日の結果は喜ばしい限りですが、あくまでもひとつのレースの結果にしか過ぎません。みなさんにも喜んでいただけるよう、もっともっといい結果を求めて次のオートポリスでも素晴らしい走りをお見せしたいと思います。

伊沢拓也選手

予選が厳しい結果になり、決勝に向けてのセットなどを変更したこともあって、日曜朝のフリー走行では色々と試したいことがあったのですが、雨になってしまい難しい状況でのレースが始まりました。しかしもともと雨の調子は悪くなかったので、レースでは落ち着いて走ることができました。ライバルとの攻防戦になっても戦えるクルマなので、やはり予選でいいポジションを狙えるよう、チーム一丸となってクルマを作っていきたいと思います。次のオートポリスはHSV-010での初レースになりますが、納得のいくレースをして、完全燃焼したいと思っています。

山本尚貴選手

レース後、高橋監督からよく頑張った、と笑顔で言っていただき、とてもうれしかったです。でも次は心の底から喜んでもらえるようなレースがしたいという気持ちも強くなりました。前回の鈴鹿では最後まで走りきれなかったので、今回はきちんと最後まで走ることが目標でした。とはいえ、ただ守りの走りをするのは自分のスタイルではないし、なんとしても前のクルマを抜いて、ポジションを上げて戻ってきたいという思いが強かったですね。前半は何台にも前に行かれて厳しかったのですが、ペースが落ちなかったので、後半はしっかりと抜き返すこともできました。残り2戦、気を引き締めて頑張ります。

手塚長孝オペレーテイングテクニカルディレクター

予選最後尾からのスタートで決勝では5位という結果になりました。ドライバーふたりが本当によく頑張ってくれたと思います。予選後、決勝に向けてクルマも最後の最後まで色々と調整を繰り返しました。今回は選択したタイヤの構造が異なることから、レース展開も違ったものになったとは思いますが、そこをドライバーがしっかりとカバーして走ってくれました。次のオートポリスではウェイトハンデの加算方式が変わり、車重が軽くなるのでまた違った戦いになると思いますが、僕たちはそのウェイトを気にすることなく戦えるのではないでしょうか。ただ、HSV-010でのデータがないぶん、どういうレースになるか未知の世界です。うまくセットアップして、内容あるレースにしたいですね。

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