第3戦 セパン インターナショナル サーキット
公式予選 6月9日(土) | 決勝レース 6月10日(日) |
| |
RAYBRIG HSV-010、粘りのレース展開で6位入賞!
前日から一転、決勝を迎えたセパンの上空は抜けるような青空が一面に広がり、これに合わせて気温もぐんぐんと上昇。まさにセパンらしい、真夏の一日となった。まずは午前9時40分から日本のサーキットでおなじみのサーキットサファリがスタート。そのあと引き続き、30分間のウォームアップ走行が始まった。
セッション中盤にGT300の車両がコースアウト。回収のためにセッションは一旦赤旗中断となる。そんな中、No.100 RAYBRIG HSV-010はセッティングの見直しを続行。可能性がある限り色々なセット変更にトライし、よりポテンシャルの高いクルマに仕上げようと、最後の最後まで挑戦を続けた。結果、このセッションでのチームベストタイムは山本選手がマークした1分58秒766。10番手のタイムだったが、決勝に向けて次なるステップに進むべく、チームでは新たな対策の準備を始めることになった。
決勝開始時間は午後4時。強い日差しもやや緩和されたがそれでもまだ気温33度、路面温度に至っては51度の数字を刻む中、54周にわたる戦いが始まった。全車クリアスタートを決め、No.100 RAYBRIG HSV-010のスタートドライバーを担当した伊沢選手も序盤は6番手で周回を重ねていった。途中、後続車両との攻防戦になると、やはり車重の重さのせいか、立ち上がりのスピードを存分に確保することが難しい状況もあったが、都度巧みなコントロールで応戦するなど、タフなコンディションながら、懸命の走りを披露した。
今回、スーパーラップで装着したタイヤがやわらかめだったことから、ピットインのタイミングが自ずと早まることを想定していたチームでは、22周を終えて伊沢選手をピットインさせる。このタイミングと待ちかまえたチームスタッフが見事なピットワークを見せて作業を終了したことによりステアリングを託された山本選手はポジションアップに成功しコースへと向かっていった。
この後続々と他チームもルーティンのピットワークを行ったことで、ポジションの争奪戦がますます激化。100号車は8番手で周回を重ねながらチャンス到来を待ち、つねに粘りの走りを心がけた。途中、レースそのものが小康状態になってしまい、目立ったバトルも見られなかったが、残り10周の時点で前を行く2台が接触、ともにその場で戦線離脱。このハプニングによって100号車は6番手へと浮上するチャンスを掴んだ。
その後は上位陣がほぼ全車“ひとり旅”状態。100号車も同様で、僅かな周回数での逆転劇は難しく、結果、6位でチェッカードフラッグを受けた。開幕戦から3戦連続での入賞を達成したチームは、シリーズランキング暫定2位で今シーズンの序盤戦を終了。この先の菅生、鈴鹿は真夏の連戦となるが、今回のような堅調さを武器に、1戦1戦の結果を、シリーズランキングでの好順位につなげていくことだろう。
高橋国光監督
可能な限り、ひとつでも上のポジションを目指してレースをする、ということが大事なのですが、今回はウェイトが重い状態の中ですごくふたりとも最後までしっかりとガンバってくれました。キチンとポイントを獲れたことは、シーズンを見据えると大きな意味があったと思います。暑さ厳しい中、ドライバーのふたりだけでなく、スタッフがみな一生懸命仕事をした結果が今日の6位につながったと思います。
伊沢拓也選手
6位という結果はウェイトを考えると良かったとは思いますが、昨日の予選、そして今日の決勝ともにペースは決して満足のいくものではなかったですね。ポイント争いをしている38号車があまり変わらないウェイトを積みながら、速さを見せていたことを考えると、まだ頑張らないと。でも結果的としては運を味方にできる位置にいられたということも大きかったですね。本当はこのセパン戦を終えた時点でランキングトップにいたかったのですが、2位の位置で、かつそのポイント差も僅かなので、次の菅生にむけてもっとレベルアップできるように頑張ります。
山本尚貴選手
今週末は僕らにとって厳しい展開になったように感じます。でもその中でミスなく、仕事はできたのですが、ポイントが取れるかどうかというギリギリでの戦いにはなってしまいました。ツライ展開でしたが、終盤には運も巡ってきて、前の2台がアクシデントで後退したことでポジションをふたつ上げて、より多くのポイントを獲得できたので、ものすごく価値ある6位だったと思います。シリーズを考えると良かったかなと思いますね。しっかりとレースを粘り強く戦うという今回の目標が達成できたし、結果も残すことができました。しかしその反面でウェイトを積んでいても速かったチームもあるわけなので、僕たちもまだまだたくさんやるべきことがあるのだと思いました。これから暑くなる中で菅生、鈴鹿とタフなレースが続くと思いますが、その中でもどれだけタフなレースを見せることができるかが課題になってくると思います。
手塚長孝オペレーテイングテクニカルディレクター
決勝のグリッドでもセット変更をするくらい苦しんでいました。あまり言いたくはないですが、ウェイトの重さが響いているのかなと感じました。レースでは、タイヤを持たせなくてはという思いがあったのですがいざレースがスタートしたら気温も上がり、フロントタイヤから厳しくなっているような状態でした。そこで、山本選手にはひとつ固めのタイヤをチョイスしたんです。
今回は、レースそのものもガマンの展開となりましたが、みんないいところで踏ん張っていてくれたので、アクシデントの恩恵もありますが、6位になれたと思います。最終的にシーズンを考えれば大きな意味を持つと思いますね。これから暑い中でのレースが続きますが、このままではいかんな、というところも見つかったので、調整して菅生、鈴鹿と確実にポイントを獲っていきたいです。
決勝レース結果
Po | No | Machine | Driver | Time/Diff. | Laps | Best Lap | Tire | WH |
1 | 18 | ウイダー HSV-010 | 小暮 卓史 | C.ヴァン・ダム | 1h47'52.531 | 53 | 1'58.118 | BS | 12 |
2 | 38 | ZENT CERUMO SC430 | 立川 祐路 | 平手 晃平 | 3.016 | 53 | 1'58.631 | BS | 46 |
3 | 6 | ENEOS SUSTINA SC430 | 伊藤 大輔 | 大嶋 和也 | 9.642 | 53 | 1'58.429 | BS | 2 |
4 | 39 | DENSO KOBELCO SC430 | 脇阪 寿一 | 石浦 宏明 | 20.57 | 53 | 1'59.127 | MI | 44 |
5 | 12 | カルソニックIMPUL GT-R | 松田 次生 | J-P.オリベイラ | 37.488 | 53 | 1'59.295 | BS | 14 |
6 | 100 | RAYBRIG HSV-010 | 伊沢 拓也 | 山本 尚貴 | 45.998 | 53 | 1'59.462 | BS | 60 |
7 | 17 | KEIHIN HSV-010 | 金石 年弘 | 塚越 広大 | 46.886 | 53 | 1'59.711 | BS | 32 |
8 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R | 本山 哲 | M.クルム | 1'05.203 | 53 | 1'59.637 | BS | 38 |
9 | 19 | WedsSport ADVAN SC430 | 荒 聖治 | A.クート | 1'17.056 | 53 | 1'59.915 | YH | |
10 | 35 | KeePer Kraft SC430 | 国本 雄資 | A.カルダレッリ | 56.903+30 | 53 | 1'59.326 | BS | |
11 | 32 | EPSON HSV-010 | 道上 龍 | 中山 友貴 | 2Laps | 51 | 2'00.289 | DL | |
12 | 8 | ARTA HSV-010 | R.ファーマン | 小林 崇志 | 7Laps | 46 | 2'00.137 | BS | 10 |
13 | 36 | PETRONAS TOM'S SC430 | 中嶋 一貴 | L.デュバル | 9Laps | 44 | 1'59.403 | BS | 28 |
14 | 1 | S Road REITO MOLA GT-R | 柳田 真孝 | R.クインタレッリ | 9Laps | 44 | 1'58.642 | MI | 14 |
- | 24 | D'station ADVAN GT-R | 安田 裕信 | B.ビルドハイム | 51Laps | 2 | 2'03.061 | YH | |
天候:晴 | コース:ドライ