第6戦 富士スピードウェイ
公式予選 9月8日(土) | 決勝レース 9月9日(日) |
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RAYBRIG HSV-010、耐えるレースを続けるも12位に甘んじる
前日に続いて、秋晴れの好天気に恵まれた富士スピードウェイ。午前9時から30分間にわたって行われたフリー走行中は薄曇りになって気温25度、路面温度31度となったが、やや蒸し暑さを感じる中でのセッションとなった。No.100 RAYBRIG HSV-010にはまず伊沢選手が乗り込み、決勝に向けて変更したセッティングの確認を行う。一方で、アンダーステアの方向にあったため、その調整も進めることになった。その中で伊沢選手は1分35秒505をマーク。最終的に10番手のタイムを刻むこととなった。また、伊沢選手から交代した山本選手も満タン状態でのクルマの動きやセット変更の確認など、決勝に向けて志気を高めていった。
午後に入り、いっそうまぶしいほどの太陽がコースを照りつけ、午後2時スタートを迎える頃には気温は29度ながら、路面温度が45度まで上昇! 66周の戦いは依然として暑さとの戦いにもなりそうな気配となった。今回、チームではスタートドライバーに今シーズン初めて山本選手を起用。ローリングスタートを経てスタートが切られ、全車きれいに1コーナーへ。オープニングラップから早速攻めの走りを披露した山本選手は、7番手でメインストレートを通過。見事なスタートダッシュとポジションアップを成功させた。
その後も勢いづく山本選手。メインストレートが長い富士の特性を活かすべく、レスダウンフォース仕様のセットアップが奏功したことで、巡ってきたチャンスをキチンと形にし、8周目には5番手まで浮上。その後はNo.23 GT-Rとの攻防戦を繰り広げたのだが、このあたりからがくんとペースが落ちてくる。結果、前を追うというよりどちらかというと後続からのプッシュに耐えるような形で周回を重ねることになり、まさに耐える走行。オーバーステアになったクルマをなだめすかして走ることを強いられた。同時にタイヤマネージメントも極めて難しい状況となり、チームは予定を少し早めてピットインさせることを決断。23周を終えて山本選手をピットに戻した。
周回数のおよそ3分の1でルーティンワークを行ったため、伊沢選手のスティント時にはハードタイヤを装着。力強くロングランをしてもらうべく、コースへと送り出した。タイヤに熱が入り、ペースアップを狙った伊沢選手。しかし、タイヤを変えても序盤と同様、オーバーステア傾向は変わらず。何とかその中で伊沢選手はマシンコントロールを続けていたが、攻めの走りというよりも後続の猛追を凌ぐのが精いっぱいの状態。とても厳しいコンディションでのロングランを続けることになった。それでもなお伊沢選手は強い精神力を保ちながら、周回を重ねていく。後半戦に入ったところで、ポイント圏内の10番手までマシンを運ぶ意地を見せたのだが…。バランスを保てない状況が長く続いた結果、レース終盤は後続の先行を許すことに。よってNo.100 RAYBRIG HSV-010は12位でレースを終了。入賞まで惜しくもあと一歩及ばず、ポイント加算の機会を得られなかった。
いよいよ残り2戦となった今シーズンのSUPER GT。次回、オートポリスからハンデウェイトが半減されることから、No.100RAYBRIG HSV-010は心機一転の巻き返しを狙う。
高橋国光監督
厳しい結果に終わってしまいました。チームとしても目先を変えて山本選手をスタートドライバーに起用することを試みたり、変化を加えました。幸い、山本選手はちゃんと力強く走ってくれたんですが、クルマとタイヤとのマッチングがうまくいかず、ドライバーふたりは苦しんで走ることになってしまったようですね。それを考えると、ドライバーにとってはツラいレースでしたが、前回の鈴鹿とは違い、最後まで走り切ってチェッカーを受けられたことが幸いでした。次のレースではさらにいい展開になるよう、期待して欲しいですね。
伊沢拓也選手
山本選手がしっかりとスタートを決めてくれて、途中まではいい感じで走ってくれたようなんですが…。途中からペースが落ちてしまって、結果、予定よりも早めのピットインとなりました。そして僕に変わってからもちょっとオーバーステアが強くペースを上げることができませんでした。今までにないほど後続のクルマにもパスされることになり、しんどいレースだったので、チャンピオンシップを考えても、2戦連続のノーポイントはとても痛いんですが、オートポリスはしっかり取り返すためにちゃんと立て直すしかないなと思います。次でちゃんとポイントを獲らないと先はないので、やれることはしっかりやるということですね。
山本尚貴選手
スタートを担当したのですが、ポジションを5つあげて7位まで上げることができたし、走行中は特になんら問題なく、自分の力は出し切れたと思います。序盤は、ペースもクルマのバランスも良かったんですが、5周目以降、クルマのバランスが突如として崩れてしまいました。結果、ペースが上がらず、前を追うというよりも後ろを抑えることにいっぱいいっぱいになる展開でした。オートポリスでは、結果を出しにいきたいです。
手塚長孝オペレーテイングテクニカルディレクター
決勝朝の走行ではアンダーステア、決勝に向けて変更したセットではオーバーステア、と全くクルマの様子が変わってしまいました。いずれにせよ、序盤はバランスが崩れてタイヤが早いタイミングで厳しくなったので、ピットインを予定よりも早めました。走行が長くなるので、伊沢選手にはハードタイヤを入れたのですが、またもオーバーステアに悩まされてしまいました。今までにないくらいひどい状況だったと聞いています。今回は特にクルマのバランスに苦しむ結果となりましたね。ストレートでスピードを稼ぐためにリアのダウンフォースも減らして対処したのですが…。ドライバーは苦しい中でもしっかりとガンバってくれました。次回のオートポリスではウェイトを軽減できるので、改めてガンバっていきたいですね。
決勝レース結果
Po | No | Machine | Driver | Time/Diff. | Laps | Best Lap | Tire | WH |
1 | 12 | カルソニックIMPUL GT-R | 松田 次生 | J-P.オリベイラ | 1:47'22.021 | 66 | 1'35.497 | BS | 46 |
2 | 1 | S Road REITO MOLA GT-R | 柳田 真孝 | R.クインタレッリ | 21.025 | 66 | 1'35.768 | MI | 86 |
3 | 19 | WedsSport ADVAN SC430 | 荒 聖治 | A.クート | 23.959 | 66 | 1'35.820 | YH | 16 |
4 | 36 | PETRONAS TOM'S SC430 | 中嶋 一貴 | L.デュバル | 24.511 | 66 | 1'35.832 | BS | 58 |
5 | 17 | KEIHIN HSV-010 | 金石 年弘 | 塚越 広大 | 40.8 | 66 | 1'36.111 | BS | 48 |
6 | 39 | DENSO KOBELCO SC430 | 脇阪 寿一 | 石浦 宏明 | 51.956 | 66 | 1'35.936 | MI | 76 |
7 | 35 | KeePer Kraft SC430 | 国本 雄資 | A.カルダレッリ | 52.884 | 66 | 1'35.869 | BS | 48 |
8 | 38 | ZENT CERUMO SC430 | 立川 祐路 | 平手 晃平 | 58.59 | 66 | 1'35.753 | BS | 94 |
9 | 8 | ARTA HSV-010 | R.ファーマン | 小林 崇志 | 1'18.369 | 66 | 1'35.995 | BS | 20 |
10 | 6 | ENEOS SUSTINA SC430 | 伊藤 大輔 | 大嶋 和也 | 1'28.084 | 66 | 1'35.928 | BS | 64 |
11 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R | 本山 哲 | M.クルム | 1'34.338 | 66 | 1'35.977 | BS | 60 |
12 | 100 | RAYBRIG HSV-010 | 伊沢 拓也 | 山本 尚貴 | 1'37.543 | 66 | 1'36.179 | BS | 76 |
13 | 24 | D'station ADVAN GT-R | 安田 裕信 | B.ビルドハイム | 1Lap | 65 | 1'35.690 | YH | 28 |
14 | 32 | EPSON HSV-010 | 道上 龍 | 中山 友貴 | 2Laps | 64 | 1'36.307 | DL | |
- | 18 | ウイダー HSV-010 | 小暮 卓史 | C.ヴァン・ダム | 40Laps | 26 | 1'36.464 | BS | 68 |
天候:曇 | コース:ドライ