公式予選 6月15日(土) | 決勝レース 6月16日(日) |
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RAYBRIG HSV-010、粘りのレース展開で3位表彰台を獲得!
セパンでの一戦といえば、灼熱の太陽、むせるような暑さ、サバイバルレース…というイメージが先行するのだが、今年の大会は予選、決勝日ともに薄曇りが先行する天候となった。しかしながら、決勝日は時折強い日差しが照りつけることも多く、しっかりとマレーシアならではの暑さを体感できる一日となった。
朝のフリー走行は午前11時にスタート。ガソリンを満タン状態にし、ユーズドタイヤを装着してコースインしたNo.100 RAYBRIG HSV-010。セットアップの作業が一部残る中、比較的コースコンディションが安定している時点で小暮が1分58秒464のタイムをマーク、これがGT500の最速ラップとなる。「まだ完璧なセットアップまでできていなかったのですが、コースがわりといい状況だったのでタイムが出たのだと思います」と小暮。手応えを得ているので、決勝が楽しみ、と次なるステージに向けてしっかりと狙いを定めているようだった。
迎えた決勝。セパンでは、気温が下がり始める頃を見て決勝レースがスタートする。午後4時、気温33度、路面温度42度の中、54周におよぶ闘いが幕を開けた。No.100 RAYBRIG HSV-010のスタートドライバーは伊沢。序盤、1号車のGT-Rに先行を許したが、その1号車と38号車のSC430がレーシングアクシデントとなる接触を起こし、38号車が大きく後退。一方で、18号車のHSV-010が浮上するなど、細かな順位変動が見られた。伊沢はせめぎ合いの中で途中大きくタイムを落とすシーンが見られたが、これはタイヤカスを拾ったため。だがほどなくしてカスがとれてなくなり、ラップタイムも復活。再び追い上げ態勢に入った。
伊沢は前を走る39号車のSC430を懸命に追うが、ウェイトハンデの差は大きく、思うようにその距離が縮まらない。しかしながらそれ以上離れされることもなく、隙あらば逆転可能な位置につけて周回を重ねていった。ピットが動き始めたのは22周前後から。立て続けにピットへとマシンを滑らせるライバル勢に対し、100号車はステイアウトをチョイス。結果、この選択が奏功し、空き始めたコースで懸命のハードプッシュを続けた伊沢、そしてチームにポジションアップのチャンスが巡ることとなった。
伊沢は25周を終えてピットイン。チームスタッフがスムーズにルーティンワークを完遂、小暮が代わってコースへと向かった。そして迎えた27周目。小暮は37号車のSC430と激しいサイド・バイ・サイドの攻防戦を展開。ひと足さきにピット作業を終えていた37号車を逆転すべく、セパンの暑さに負けないほどの「熱い」バトルを披露。3番手浮上に成功した。それからというもの、小暮は前を行く2台のクルマよりもハイペースで周回を重ねていく。元々のタイム差が大きく、惜しくも逆転のチャンスは訪れなかったが、3位でフィニッシュ! 開幕戦で勝利して以来、シーズン2度目となる表彰台に立った。
今回の3位獲得により、No.100 RAYBRIG HSV-010はシリーズランキングでトータル35ポイントとなり、暫定トップをキープ。シリーズ中盤、文字通り熱い闘いが続くSUGO、鈴鹿での戦いに向けてよりいっそう士気を高めていくことになる。
高橋国光総監督
予選時でいいセットが見つかり、いいポジションからスタートを切ることができました。クルマもいい状態で、ドライバーもいい仕事をしていたので、僕からはもう何もいう必要もありませんでした。3位になれたらいいな、と思って送り出したのですが、その通りの結果を得ることができて、本当に良かったと思います。
スポンサーさんはもちろん、チームスタッフもすごく喜んでいるし、このいい流れをこのまま継続させていければいいですね。今シーズンのふたりは、高いレベルで、間違いのない闘いができていると感じています。一戦一戦を大事に闘い、結果を呼び寄せる、そんな積極的なレースをこれからもどんどんして欲しいですね。ふたりの切磋琢磨に今後も期待しています。
伊沢拓也選手
予選でまずあのポジションが獲れたのが大きかったですね。決勝での3位という結果は、ウェイトを積んでいることを考えると大変満足できるものです。レースでは、途中、一度大きなミスをしました。その結果、前にいた39号車との距離が離れてしまいました。それが今回の反省点です。それでも、総体的にはいい闘いができました。
去年もシーズン途中に苦しい闘いが続きましたが、今年は苦しい中でもキチンと戦えることが、去年との大きな違いです。それが戦う上での自信につながっているのではないでしょうか。チャンピオン獲得に向けて、また大きなステップを上がったのかな。去年にはなかった強さができてきたと思いますね。
小暮卓史選手
決勝ではなんとか表彰台に上がりたい、と思っていましたが、朝のフリー走行で手応えがあったように、いいレースができました。僕らのウェイトを考えると、今日のレースでのペースは決して悪いものではありませんでした。
しかしながら、思いっきりプッシュしないと前のクルマに追いつかないなと思っていたので、終盤はペースを上げました。ところが、残り3周の時点でブレーキをロックさせてしまい、思いっきり煙をあげちゃいました(苦笑)。その結果、ペースが上がらなくなったんです。でも、レースではそういうチャレンジも必要だと思います。結果、3位になれたし、すごく良かったと思います。
手塚長孝オペレーテイングテクニカルディレクター
今日は3位表彰台を目指してレースをしたので、その結果が残せて良かったと思います。素晴らしいレースになりました。朝のフリー走行では、クルマの状態がそこそこ良い状態だったので、さほどアジャストすることなく決勝の準備を進めました。ソフトタイヤでのスタートでしたが、途中、タイヤカスがついてしまった、というインフォメーションが伊沢選手から入り、タイムが一度大きく落ちてしまったんです。それで前との差が離れたことからピットインさせようかと迷ったのですが、あとになってカスも取れたし、また、他のチームがピットインの準備をし始めたので、逆にピットインのタイミングを先延ばしにしました。それが結果としていいように作用しましたね。
小暮選手は終盤、自ら意識して前のクルマにプレッシャーを与えるべくプッシュしたようです。加えて、アウトラップのときの37号車とのサイド・バイ・サイドも素晴らしかった。勝負に対する執着心を感じました。今日はドライバーふたりがキチンと与えられた仕事をこなしてくれたことによって、この結果につながったのは間違いありません。次のSUGOでも強いレースがしたいですね。
決勝レース結果
Po | No | Machine | Driver | Time/Diff. | Laps | Tire | WH |
1 | 12 | カルソニックIMPUL GT-R | 松田 次生 | J-P.オリベイラ | 1:50'11.232 | 54 | BS | 22 |
2 | 39 | DENSO KOBELCO SC430 | 脇阪 寿一 | 石浦 宏明 | 4.09 | 54 | BS | 22 |
3 | 100 | RAYBRIG HSV-010 | 伊沢 拓也 | 小暮 卓史 | 8.631 | 54 | BS | 48 |
4 | 18 | ウイダー モデューロ HSV-010 | 山本 尚貴 | F.マコヴィッキィ | 15.657 | 54 | MI | 14 |
5 | 17 | KEIHIN HSV-010 | 塚越 広大 | 金石 年弘 | 15.803 | 54 | BS | 30 |
6 | 1 | REITO MOLA GT-R | 本山 哲 | 関口 雄飛 | 23.897 | 54 | MI | 6 |
7 | 6 | ENEOS SUSTINA SC430 | 大嶋 和也 | 国本 雄資 | 28.971 | 54 | BS | 30 |
8 | 8 | ARTA HSV-010 | R.ファーマン | 松浦 孝亮 | 40.926 | 54 | BS | 10 |
9 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R | 柳田 真孝 | R.クインタレッリ | 41.487 | 54 | MI | 22 |
10 | 37 | KeePer TOM'S SC430 | 伊藤 大輔 | A.カルダレッリ | 56.415 | 54 | BS | 10 |
11 | 36 | PETRONAS TOM'S SC430 | 中嶋 一貴 | J.ロシター | 1'11.696 | 54 | BS | 40 |
12 | 32 | Epson HSV-010 | 道上 龍 | 中嶋 大祐 | 1'18.171 | 54 | DL | |
13 | 24 | D'station ADVAN GT-R | 安田 裕信 | M.クルム | 1'22.260 | 54 | YH | |
14 | 38 | ZENT CERUMO SC430 | 立川 祐路 | 平手 晃平 | 1'59.409 | 54 | BS | 46 |
15 | 19 | WedsSport ADVAN SC430 | 荒 聖治 | A.クート | 2'00.793 | 54 | YH | |
天候:曇 | コース:ドライ