STANLEYTEAM KUNIMITSU

RACE 2013 SEASON

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2013 SUPER GT

ROUND4 SUGO

第4戦 スポーツランドSUGO

公式予選 7月27日(決勝レース 7月28日(
QUALIFYINGRACE
勝利を信じて猛烈な追い上げを見せる中、多重クラッシュに巻き込まれる

前日の予選日は、時折霧が立ちはだかる悩ましい天候だったが、決勝を迎えた日曜日は、早朝から青空が広がった。だが、雲の流れによってあっという間に曇り空になるなど、前日同様に落ち着かない空模様となった。午前9時にフリー走行がスタート。ガソリンを搭載した重い状況の中、まずは伊沢がステアリングを握り、最終チェックを済ませる。その後、スイッチした小暮は、終了5分前に暫定トップタイムとなる1分17秒291をマーク。その後、同じHSV-010の8号車がこれを上回ったが、決勝に向けて、しかと手応えを得るチャンスに恵まれた。


迎えた決勝。1周3.7km強のショートサーキットを81周に渡って周回するタフな戦いだ。ダミーグリッドに出走車輌がロックオンされると、じりじりと強い日差しが照りつける。気温こそ26度と数値は低いものの、路面温度はレースウィーク中、最も高い40度を記録、蒸し暑さが先行する中でレースが幕を開ける。
7位スタートとなるNo.100 RAYBRIG HSV-010のステアリングを最初に握るのは、伊沢。グリッドポジションをキープし、オープニングラップを終えると、順調にラップを重ねていく。20周目には、8号車を逆転し、6位に浮上。混雑しやすい菅生のコース上は、つねにポジション争いとGT300の周回遅れの車輌処理というハードな環境だが、伊沢はつねに冷静沈着に状況を把握し、強い走りを目指した。

ルーティンワークのピットインは36周終わりのとき。チームとしておおまかに目安としていたタイミングで作業が始まり、ロスタイムなく作業を終えたスタッフが新たにコクピットへとついた小暮を送り出す。結果、コース上ではNo.100 RAYBRIG HSV-010の前を走り、ひと足先にピット作業を終えていた37号車をピット作業で逆転するという、総合力を活かした戦略も見事に実を結んだ。


各車ピット作業を終えた中、No.100 RAYBRIG HSV-010は6番手で走行。後半に向けてどんなドラマが待ち受けるのかと思いきや、予想以上に大きな出来事が続き、いつしかレースはサバイバル化することになる。まず、ピット作業を終えてアウトラップを走行中だったNo.38 SC430が後続のNo.1 GT-Rと激しい攻防戦を展開、そこで1号車がコースアウトの末にピットイン。小暮は4番手に浮上する。さらに56周を過ぎるとコース上のあちこちで雨が降りはじめ、観戦スタンドにはあっという間に傘の花が咲くことになった。こうなると、ミスを避けたいドライバー心理から、大半のチームはラップタイムが落ちはじめる。だが、逆に小暮は水を得た魚のごとく、なんと周りよりも3秒から5秒も速い驚愕のラップタイムを刻んでいく。


目の前に迫るトップ3台。そしてついに70周目のハプニングが発生する。完全に追撃モードに入った小暮に対し、まずひと足先にトップ2台のSC430がバトルの末にレインボーコーナーで38号車がスピンアウトして脱落。それで失速したNo.39 SC430を挟むように、No.18 HSV-010と小暮の3台でバックストレートに進んだ。スピードに乗った小暮は前へ出ることに成功したに思われたのだが…。その瞬間に接触が重なり、18号車はその場でコースアウト、小暮も左リヤの足回りにダメージを受けた状態でピットインを強いられることになった。

状況を理解をすることが難しいほどの瞬く間の出来事にドライバーはもとより、チームスタッフも茫然自失の状態に。残念ながら、想像を超えた車輌のダメージにレース続行は難しく、チームはここでレースを断念することを強いられた。
厳しいコンディションの中、しぶとい戦いを見せたNo.100 RAYBRIG HSV-010。連続表彰台の可能性もある中、足下をすくわれる悔しい結果に終わった。だが、依然としてポイントランキングではトップを死守。次回、シリーズで最も長丁場となる1000kmレースでは、何事にも動じない強さをもってレースに挑むことを改めて決意することになった。

高橋国光総監督

速さも強さも、ファンのみなさんにお見せすることができた一方で、結果を残すことができないというとても残念なレースになりました。内容として十二分に戦ってくれたことは明らかです。ドライバーの頑張り、強いクルマを用意してくれたチームスタッフ、みんなすばらしいと思います。しかし、レースは最悪の状況となり、言葉もありません。気持ちをリセットして、次の鈴鹿でまたしっかりといい戦いをしてくれることだと思います。へこたれず、頑張ってもらいたいですね。

伊沢拓也選手

レース中はGT300の周回遅れの処理によっては、抜いたり抜かれたりというポジション争いになりました。バトルもありましたが、クルマ自体は概ね調子が良くて、37号車にも最後には追い付いて、ピットインの作業で逆転できるなという感じがありました。その辺も含め、ポジションアップしてから小暮さんにバトンタッチできたので良かったと思います。クルマ的には、走り出しから小さなトラブルがいくつかあって、結構バタバタしましたが、中盤以降は小暮さんが驚異的なタイムで周回を重ねてくれていたので、チームとしても盛り上がりました。最後の接触は、競ったレースでは避けられないというか、なんと言うか…。しょうがない、という言葉でしか表せないですよね。
でも前回のセパン同様、重いクルマでちゃんと戦えたというのは、良かった。加えて、ランキング上位で競っているライバルたちもポイントを獲れなかったのは、不幸中の幸いでした。次の1000kmでは予選は厳しいかもしれませんが、レースでいい戦いができると思います。期待していてください!

小暮卓史選手

どのようにクラッシュしたのか、そのときの状況はわかりません。ただ僕の感覚では、追突されたというだけです。後ろというか真横から当たりましたね。それでクルマが横を向き、気がついたら18号車が目の前にいて当たってしまった、という感じです。クルマも良くて、3台のバトルになったときも、一瞬前に出ることができたんです。ブレーキングでガマンして前に出れるな、と思った矢先の出来事で、全てが終わってしまいました。レーシングアクシデントと判断されてしまった今としては仕方ないですね。
今回、レースのコンディションが変化し、終盤に雨が落ちてきたので、前に追い付いたのは確かです。ドライのままであれば勝負権はなかったでしょう。惜しくも結果が残せなかったので、もう鈴鹿のレースに気持ちを切り替えるしかありません。

手塚長孝オペレーテイングテクニカルディレクター

レースでは表彰台を狙い、みんなと冷静に戦って行こうという話をしました。当初、ピットインを40周過ぎくらいに予定していましたが、ちょうど、競っていた相手との兼ね合いで、想定内でのピットインが可能となりました。いい流れの中、レースを進めることができたと思います。
そんな中でも彼はしっかりとガンバってくれました。さらに後半を担当した小暮選手は、まずまずのペースで走り出し、いい追い上げを見せているな、と思っていたところに雨が降り出しました。これで一気に彼のペースが上がったのですが、あのバトルでは数少ないチャンスをモノにできたように見えたのですが、残念ながら接触することになりました。結果は残せなかったですが、伊沢、小暮の両選手は彼らが出来得る仕事を見事に完遂してくれました。そう考えると、今回はレースの神様がそっぽを向いたんだと思うしかないですね。鈴鹿に向けて、ハードな作業になりましたが、次のレースでまたしっかりと戦えるよう、準備をしていきます。

決勝レース結果

PoNoMachineDriverTime/Diff.LapsTireWH
18ARTA HSV-010R.ファーマン松浦 孝亮1h51'41.34281BS16
237KeePer TOM'S SC430伊藤 大輔A.カルダレッリ 2.53481BS12
323MOTUL AUTECH GT-R柳田 真孝R.クインタレッリ 5.53681MI26
439DENSO KOBELCO SC430脇阪 寿一石浦 宏明1 Lap80BS52
524D'station ADVAN GT-R安田 裕信M.クルム1 Lap80YH
66ENEOS SUSTINA SC430大嶋 和也国本 雄資1 Lap80BS38
71REITO MOLA GT-R本山 哲関口 雄飛2 Laps79MI16
832Epson HSV-010道上 龍中嶋 大祐2 Laps79DL
919WedsSport ADVAN SC430荒 聖治A.クート 2 Laps79YH
1036PETRONAS TOM'S SC430中嶋 一貴J.ロシター2 Laps79BS40
1138ZENT CERUMO SC430立川 祐路平手 晃平8 Laps73BS46
12100RAYBRIG HSV-010伊沢 拓也小暮 卓史11 Laps70BS70
1318ウイダー モデューロ HSV-010山本 尚貴F.マコヴィッキィ12 Laps69MI30
-17KEIHIN HSV-010塚越 広大金石 年弘75 Laps6BS42
-12カルソニックIMPUL GT-R松田 次生J-P.オリベイラ 77 Laps4BS62

天候:曇-雨 | コース:ドライ-ウェット
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