STANLEYTEAM KUNIMITSU

RACE 2014 SEASON

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2014 SUPER GT

ROUND2 FUJI GT 500KM RACE

第2戦 富士スピードウェイ

公式予選 5月3日(決勝レース 5月4日(
QUALIFYINGRACE
RAYBRIG NSX CONCEPT-GT、車両トラブルに見舞われる

 決勝日も前日同様、やや風は冷たいものの、やわらなか日差しの中、終日過ごしやすい天候となった。レースウィーク両日で8万9千人を超えるレースファンがサーキットに足を運ぶという熱気に包まれる中、まずは午前8時30分からフリー走行がスタートする。前日までのクルマの状況を踏まえ、決勝に向けて最後の調整を続けるチームスタッフとドライバーたち。とりわけ今回は開幕戦よりも200km長い500kmという長丁場だけに、タイヤの耐久性や燃費などさらに確認内容も多くなる。ピットには、時間の許す限り、決勝までの間でやるべきことを黙々と続けるスタッフの姿があった。

 午後2時。きれいな青空が広がる中、500km、110周にわたるレースがセーフティカーの先導のもとスタートする。無事に1周でフォーメーションラップを終え、戦いの火ぶたが切って落とされた。今回スタートドライバーを務めたのは、小暮。500kmを3スティントで戦うため、チームでは小暮-武藤-小暮のオーダーを組む戦略を立てており、まずは落ち着かない序盤戦でのポジションアップに賭けた。

 序盤に12、11位とポジションアップして走行を続けるNo.100 RAYBRIG NSXCONCEPT-GT。途中、GT300の車両がメインストレート先で接触し、ガードレールにクラッシュするというアクシデントによってセーフティカーがコースイン、という場面もあったが、小暮は淡々と周回を続け、逆転のチャンスを伺い続けた。だが、19周目には上位車両の1台が火災に見舞われ、コースサイドで停止。またもSCが導入される。これを機に、1回目のルーティンワークを遂行するチームが現れたが、No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTもまたその1台。ピットレーンオープンのタイミングを待って小暮がピットインし、武藤へステアリングを委ねた。

 タイヤ交換、給油と作業は迅速ではあったが、再スタート時にエンジンがかからないトラブルが発生。残念ながらタイムロスの原因となってしまった。しかしながら、コースに復帰した武藤は、まずまずのペースで周回を重ね、前車に少しずつ詰め寄っていく走りを見せた。逆転を目指し、懸命にドライブを続ける武藤だったが、29周目のダンロップコーナーの先でトラブル発生。急にパワーを失ったNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTがスローダウンし、ストップしてしまう。しかしその後ピットに帰還、スタッフによる応急処置が始まった。

 ピットでの処置を終え10周近くの遅れを取ったものの、再びコースへと向うことになったNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT。引き続き武藤がステアリングを握り、粘り強く周回を続けた。だが、手負いの状態での走行は厳しく、再びスロー走行となり、ピットイン。スタッフも懸命な作業を続けたが、今後も同様のトラブルが発生する可能性も高いことから、安全を最優先し、この時点でレースを終えるという決断を下すことに。結果、No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTはレース開始から1時間38分過ぎ、42周をもって第2戦の戦いに終止符を打った。

 第3戦オートポリス戦を前に、宮城・スポーツランドSUGOでのオフィシャルテストも控えるNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT。このテストで成果を手にし、力強い戦いを見せてくれることに期待したい。

高橋国光総監督

レースウィークを通し、ドライバーたちはもちろん、チームスタッフみんなが懸命に働き、よく頑張っている姿を見ているので、私からは何も言うことができませんね。もちろんクルマ作りも頑張ってくれていますが、Hondaのファン、NSXのファンの皆さんには本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。皆、ベストを尽くして頑張っているので、ごめんなさいというしかないですね。現場もトラブルの原因究明に懸命ですし、それに応えようとチームも頑張っています。前回より今回、今回よりも次回、という思いで取り組んでいますし、厳しいレースを強いられるからこそ、次に向けて進んでいけるとも思うので、これからも応援よろしくお願いします。

小暮卓史選手

みんな一緒に頑張って、今おかれた現状の中でクルマを速くするための努力を一生懸命しているので、よくなってきてはいます。でも残念ながらその努力が結果に結び付かないということも事実です。大変なシーズンであることには違いないですね。今回のスタートでは特に何もなく、最初のスティントに関しては普通に走ることができました。ところが、武藤選手に交代した次のスティントになって、周りのNSXも同様にトラブルが出始めました。事前になにも兆候がなく、トラブルが出るので本当に残念です。でも新車なのでしょうがないという思いもあります。とにかく今はやり続けるしか、頑張るしかないということです。こういう現状の中でいかにベストを尽くせるか、やっていくしかないですね。チャンスがきたときにそれをしっかりつかめるように、という思いで諦めずに頑張ります。

武藤英紀選手

SC2回目のときに小暮選手からバトンタッチしたんですが、ピットを出るとき、もたついてうまく出られませんでした。エンジンがかからず、大幅に出遅れてしまいました。その後のレースペースは前のクルマに追い付いていたこともあり、悪くなかったとレース後にエンジニアさんから聞きました。でもその後、車両トラブルが出てしまって… … 。ドライブ中、2回あったんですが、なんとかピットに歩いて帰ることなく、クルマに乗って戻ってくることができて、スタッフも最後まで仕事をしてくれました。前兆なしに急にトラブルが出てしまうので、混戦中は危険ということもあり、レースを諦めることになりました。ガマンの週末になりましたが、そこで終わるわけにはいかないし、次の週末にはSUGOでのテストもあるし、それに向けてやっていきます。とにかく今はやるだけですね。自分の足りないところもあると思うし、できることをやって、クルマの調子が悪いからといって、自分がそこそこでやってしまうと、いざクルマが良くなったときにそこそこで終わってしまう。だから今もつねにマックスでいけるようにしておけば、クルマが良くなったときに前を走れると思うので、しっかりと準備はかかさずにしておこうと思います。

手塚長孝オペレーテイングテクニカルディレクター

スタッフみんながしっかり頑張っているので、期待したいですね。ただ、正直なところ、NSXに課せられているBoP(バランス・オブ・パフォーマンス:性能調整)が厳しい。それによる影響は大きいですね。ラップタイムや予選の順位を見ていただければNSXに対して厳しいことは明らかです。NSXとしていいところ、特徴がスポイルされるようなBoPになってしまっているので、僕らとしては見直しをして欲しい。もちろん、やることは一生懸命やって、クルマやエンジン、車体とも努力してなんとか速くしようとやっています。その一方でもちろんライバルのトヨタ、ニッサンだって速くなる努力を続けている。結果、その差が埋まらないのは性能調整が厳しすぎるのではないかと感じています。

決勝レース結果

PoNoMachineDriverTime/Diff.LapsBest LapTireWH
112カルソニックIMPUL GT-R安田 裕信J-P.オリベイラ 3:07'18.4381101'30.498BS22
21ZENT CERUMO RC F立川 祐路平手 晃平24.5681101'31.531BS
36ENEOS SUSTINA RC F大嶋 和也国本 雄資41.3651101'31.834BS30
424D'station ADVAN GT-RM.クルム佐々木 大樹57.7981101'31.477YH
537KeePer TOM'S RC F伊藤 大輔A.カルダレッリ 1'00.3281101'31.367BS40
639DENSO KOBELCO SARD RC F石浦 宏明O.ジャービス1'06.8361101'31.490BS16
719WedsSport ADVAN RC F脇阪 寿一関口 雄飛1Lap1091'31.972YH
823MOTUL AUTECH GT-R松田 次生R.クインタレッリ 1Lap1091'30.580MI8
936PETRONAS TOM'S RC FJ.ロシター平川 亮1Lap1091'31.088BS
1018ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT山本 尚貴J-K.ベルネ15Laps951'32.769MI12
-32Epson NSX CONCEPT-GT中嶋 大祐B.バゲット54Laps561'33.553DL
-100RAYBRIG NSX CONCEPT-GT小暮 卓史武藤 英紀68Laps421'32.855BS4
-8ARTA NSX CONCEPT-GTV.リウッツィ松浦 孝亮69Laps411'33.091BS6
-46S Road MOLA GT-R本山 哲柳田 真孝92Laps181'31.024MI2
-17KEIHIN NSX CONCEPT-GT塚越 広大金石 年弘108Laps21'55.813BS10

天候:晴| コース:ドライ
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