STANLEYTEAM KUNIMITSU

RACE 2015 SEASON

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ROUND6 SUGO

第6戦 スポーツランドSUGO

公式予選 9月19日(決勝レース 9月20日(
QUALIFYINGRACE
RAYBRIG × TEAM KUNIMITSU、 2年ぶりの勝利に酔う!

 予選日同様、決勝日の朝もまずは薄曇りからスタート。時間の経過とともに再び青空と強い日差しがサーキットに戻り、東北地方における初秋とは思えないほどの天候の中、一戦を迎えることとなった。一方、大型連休ということもあり、サーキットには2万8500人ものファンが足を運ぶなど、賑わいを見せた。

フリー走行は午前9時にスタート。気温22度、路面温度27度の下、30分のセッションが行われた。チームこれから午後の決勝に向けて気温、路面温度がどの程度推移していくのかを意識しつつ、クルマのセットアップの微調整や最終確認など、細々とした作業を繰り返す。結果、No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTは1分14秒297のタイムをマーク。
ポジションこそ10番手と留まったが、決勝へのアプローチには何の迷いもなく、着々と準備を進めた。

迎えた決勝。午後2時、気温26度、路面温度38度とレースウィークを通して一番高い数値を示す中、81周に及ぶ熱戦の火蓋が切って落とされた。まずNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTのステアリングを握ったのは、山本選手。クリアスタートが切られ、早速前を行く46号車を追随する。だが、路面とタイヤの相性がいまひとつしっくりこないのか、思うようにペースが上がらない。そうこうする内に、GT300クラスの周回遅れが絡みはじめたことで、トップとの差が10秒近く開いてしまった。

さらに20周を過ぎてからは、後方のNo.64 NSX CONCEPT-GTが山本選手を猛追。23~24周目のメインストレートでイン側へとラインを変えて山本選手を逆転する。だがその直後、64号車は白煙を上げてペースダウン。目前のライバルにトラブルが発生したことで、山本選手は再び2番手で周回を重ねることになった。そして迎えた26周目、SUPER GTレースでよく語られるSUGOの“魔物”がついに目を覚ましてしまう。

荒れるレースに対し、“SUGOには魔物が棲む”と言われることが多いのだが、まさに今回も予期せぬ展開が訪れる。後続で激しい攻防を繰り広げていた2台の車両がバックストレッチで接触。後方の1台がコントロールを失ってガードレールにヒット、大きくダメージを負った車両はコース上でストップする。これを機にレースはセーフティカーがコースイン、ペースを落としての周回が始まった。これより前、山本選手とトップとの差はおよそ15秒。しかしSCランの間にトップとの差は一気に減り、充分トップ争いに持ち込める状況となる。一方で少し早めのタイミングながら、ピットレーンオープンと同時にピット作業を済ませるのが賢明と、チームそして伊沢選手がスタンバイ。後半戦の展開にすべてが委ねられることになった。

ご多分にもれず、ライバル勢も同様の動きを見せて31周を終えた車両が一斉にコースから戻ってくる。手狭なピットは瞬く間に大混乱。No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTも車両を斜めに止めて作業を始めることになったが無事に伊沢選手をコースへと送り出した。前を走る46号車との差はわずか。逆転を狙う伊沢選手は周りの状況を充分に把握した上で勝負に出ようと後方からプレッシャーをかけ続ける。そして迎えた36周目の最終コーナー、挙動の乱れた46号車を伊沢選手が仕留めにかかり、メインストレートで鮮やかに逆転! 1コーナー飛び込みでイン側をキープ、トップで立ち上がっていく。その後は水を得た魚のごとく、後続をぐんぐんと引き離すことに成功。チェッカーまで残り10周の時点でおよそ7秒強の差をつける力走を見せた。その後もNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTは安定した速さをキープし、81周を走破。ついに待ちわびた優勝を果たすことになった。

TEAM KUNIMITSUとしては、2013年第1戦岡山以来となる勝利だが、山本、伊沢両選手のコンビによる優勝は初。チームがひとつになって掴んだ勝利に、高橋国光総監督の目にも涙が溢れていた。
今回の好成績を受け、ドライバーズポイント、チームポイントともにランキング2位へとジャップアップを果たしたTEAM KUNIMITSU。残る2戦、着実に、そして粘りある攻めの走りで頂点を目指していく。

高橋 国光 高橋国光総監督 ようやく山本と伊沢のふたりで優勝できました! 待ちわびた勝利ですね。今シーズンは悔しい結果が続いていたので、やっと花が咲きました。僕自身もレースに長らく関わっていますが、そんな僕でもこのふたりはなにか特別な存在なんです。2010年、どちらかというと成長途中の若いドライバーとしてふたりがチームに入り、山本なんかは負けては悔しがって泣いているようなドライバーでした。
伊沢もここしばらく精神的にしんどい部分もあっただろうし、大変な時期を経て今年からまた日本でレースをすることになったわけですが、そのふたりが互いにライバル意識を持ちつつ素晴らしいコンビネーションを見せてくれているし、相互作用でどんどん成長しているのが伝わってきました。ただ、ふたりの力が同じ方向へ向くものだから、いい方向へも悪い方向へも一気に向ってしまう。それが心配でもあったのですが、今日の勝利でどんどんいい方向へと進んでいってくれると信じています。
今回の勝利によって彼らがドライバーとして、またひとりの人間として大きく成長してくれたと思います。またそのふたりをいいクルマ、いいタイヤがしっかりと支えてくれました。もちろん周りのスタッフもそうです。完璧なレースはそう滅多にないことです。こんなうれしい日はないですね。

山本 尚貴 山本尚貴選手スタート前、僕たちがチョイスしたタイヤがレースでは厳しいかも、という不安がありました。予想どおりペースを上げられなくて優勝するにはちょっと厳しいなという思いがありました。そこにセーフティカーが入ったことにより、差も縮まったしレースをリセットすることができました。

そこで僕たちはタイヤを替えたのですが、そのタイヤがレース、コースのコンディションにドンピシャでした。グリップも高かったようで、伊沢選手がしっかりと走ってくれたのが何よりでした。僕が走行中は、64号車とのバトルになり、一瞬抜かれたのですが向こうが前に出た途端にタイヤがスローパンクチャーしたようで、レースってやっぱり運がついてくるんだなとも思いました。今回はなによりもチームへ優勝をもたらすことができて本当にうれしい。伊沢選手と一緒に優勝できて、チームへは感謝の気持ちでいっぱいです。苦しいときにがんばったからこその勝利だと思います。これでタイトルが狙える位置にきたのでさらにがんばっていきたいですね。

伊沢 拓也 伊沢拓也選手レース前半、山本選手のスティントではタイヤも完璧ではなかったんですが、なんとかくらいついて2位で帰ってきてくれたのがよかった。僕のスティントになって、異なるタイヤを選択したんですが、それがホントに完璧で、クルマともどもとてもよかったんです。7月下旬には、ここで行われた公式テストで一杯走ってデータを取りましたが、手応えあるものだったので、今日のこの勝利のための流れがあったのなかとも思います。 これまで(2010年から3年間、TEAM KUNIMITSUとして)山本選手とのコンビで勝てないことがずっとあったぶん、今日の優勝はうれしいです。また、高橋総監督の涙を見て、本当に良かったなと思いました。

決勝レース結果

Po No Machine Driver Time/Diff. Laps Best Lap Tire WH
1 100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT 山本尚貴 伊沢拓也 1:51'43.118 81 1'14.025 BS 58
2 46 S Road MOLA GT-R 本山哲 柳田真孝 2.689 81 1'13.504 MI 60
3 24 D'station ADVAN GT-R 佐々木大樹 M・クルム 38.585 81 1'14.867 YH 40
4 6 ENEOS SUSTINA RC F 大嶋和也 国本雄資 42.564 81 1'15.080 BS 38
5 19 WedsSport ADVAN RC F 脇阪寿一 関口雄飛 42.968 81 1'14.773 YH 36
6 1 MOTUL AUTECH GT-R 松田次生 R・クインタレッリ 48.812 81 1'14.464 MI 78
7 15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT 小暮卓史 O・ターベイ 1'25.080 81 1'14.528 BS 28
8 17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT 塚越広大 武藤英紀 1'05.955 81 1'14.829 BS 44
9 37 KeePer TOM'S RC F A・カルダレッリ 平川亮 1Lap 80 1'14.438 BS 68
10 38 ZENT CERUMO RC F 立川祐路 石浦宏明 2Laps 79 1'14.578 BS 88
11 12 カルソニック IMPUL GT-R 安田裕信 J-P.オリベイラ 3Laps 78 1'15.777 BS 100(102)
12 8 ARTA NSX CONCEPT-GT 松浦孝亮 野尻智紀 6Laps 75 1'14.482 BS 20
13 36 PETRONAS TOM'S RC F 伊藤大輔 J.ロシター 10Laps 71 1'14.749 BS 86
9999 39 DENSO KOBELCO SARD RC F 平手晃平 H.コバライネン 56Laps 25 1'15.189 BS 36
9999 64 Epson NSX CONCEPT-GT 中嶋大祐 B.バゲット 56Laps 25 1'14.037 DL 6

天候:晴れ| コース:ドライ
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