第7戦 オートポリス
公式予選 9月29日(土) | 決勝レース 9月30日(日) |
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悪条件が重なる雨のオートポリスで8位入賞を果たす!
日曜日に向けてさらに台風の影響を受けて天候が悪化するのではないかという懸念があったが、決勝日朝のサーキットはごく普通の雨模様に留まり、心配されたレース開催も随時天候の状況を見てスケジュールが進められることになった。だが、あいにく午前9時20分からスタートしたフリー走行では霧がひどくなり、安全に走行するのが難しいということで、開始からわずか8分程度で赤旗中断。しばらく様子見となったが、結局視界不良による延期となり、午前11時から再開するとアナウンスされた。ところが11時を迎えてもなお霧は居座り続け、走行再開は困難な状況に。結果、走行セッションはキャンセルされ、来場されていたお客さんへコース上から挨拶するという、ファンサービスを代わりに行うこととなった。その後、幸いにも天気は次第に回復。午後2時のスタートを前に薄日が差し始め、小雨へと好転する。レース前のダミーグリッド上ではスリックタイヤをスタンバイさせる様子も見られたが、セーフティカーによるスタートが決定し、大半の車両はレインタイヤを装着してのスタートを切ることになった。No.100 RAYBRIG HSV-010のスタートドライバーは伊沢選手。
セーフティカーが先導したのは2周目まで。3周目にはレース再開となり、まずは丁寧なアプローチを心がけた伊沢選手はポジションキープで周回を重ねていく。レースは12周目にGT300の車両がコースアウトし、クラッシュしたことから、再びセーフティカーがコースイン。ポジション争いが縦一列状態となったが、リスタートした17周目には早速2台をパス! 5位へとポジションアップを果たす力走を披露した。
今回のレースは65周に及ぶ戦い。しかし、25周前後から早くもルーティンのピットインが始まる。装着しているレインタイヤと路面コンディションのマッチングを考えると、チームによってそれぞれ事情が異なるためだ。一方、No.100 RAYBRIGHSV-010は当初、伊沢選手で多く周回を重ねる作戦だったが、「これまでの経験にないくらい、早くタイヤが摩耗してしまった」とレース後振り返ったように、タイヤの消耗が激しく、作戦変更を強いられた。結果、28周を終えてNo.100 RAYBRIGHSV-010がピットイン。31.1秒の作業時間を経て、山本選手がコースへと向かった。次第に雨量が少なくなる中で、マネージメントが問われる戦いとなったのは言うまでもない。交代直後はまず丁寧な走りを心がけ、タイヤに熱が入ると、ライバル達との駆け引きに転じ、攻防戦を披露。6番手までポジションを挽回させた。
ところが、山本選手曰く「バトルの途中からタイヤがキツくなってきた」と一旦ペースが伸びなくなってしまう。だが、自身のスティント中盤くらいには再びバランスが戻り始め、タイムアップしながら周回を重ねていった。終盤に向けて、もうひと勝負挑みたいと目論んでいた山本選手。しかしチェッカーまで残り10周を迎えた頃から急激にリアタイヤのグリップが減り、ペースが再び落ちてしまう。見守るチームは安全を考慮し、ピットインの準備を進めたが、第4戦以来の入賞を目前にした山本選手は、ポイント獲得を果たしたい思いで走破を決意。厳しい状態のクルマをなだめるように操りながら、まさにガマンの走りを続け、8位でチェッカードフラッグを受けることに成功した。
今回、オートポリス戦を前にポイントリーダーだったNo.1 GT-Rが優勝を果たしたことで、シリーズタイトルは1号車が獲得することになったが、依然として2位以下の争いは続いている。久々のポイント獲得を果たしたNo.100 RAYBRIG HSV-010としては、最終戦はホンダのお膝元であるもてぎで有終の美を飾りたいという思いも強い。ウェイトハンデもすべてなくなり、まさしくガチンコ勝負となる最終戦での飛躍をチーム全員で誓った。
高橋国光監督
今日はふたりのドライバーがそれぞれ与えられた仕事をしっかりとこなしてガンバってくれたと思います。レースっていうのは、3拍子(タイヤ、クルマ、ドライバー)がキチンと揃わなければ勝てないですが、今日の結果はまさにそれが如実に表れたと思いますね。ちょっとしたことがミスにつながるという悪条件の中でのレースでしたが、よく耐えてガンバってくれました。最終戦ではさらにいいコンディションで戦えると思うので、思いっきりいい仕事をしてもらいたいですね。
伊沢拓也選手
自分のスタートはSCスタートだったので順位を入れ替えることはできませんでしたが、2度目のSC後のリスタートで、うまく2台かわすことができたのは良かったと思います。その調子のまま追いかけていきたかったんですが、これまで経験したことがないくらい、タイヤが想定よりも早く摩耗してしまって…。結果としてピットインが予定より早まってしまいました。本来ならできる限り引っ張れるだけ引っ張りたいなという思いがあったんですが…。これまでちょっとうまく乗れていない状態が続いていたし、今回も同じようにならないように、他のホンダ勢の状況を伺いながら、チームが予定よりも早めにピットインすることを判断しました。 結果を考えると、今日のレースではやれることはやったと思います。流れも悪くありませんでした。ただ、チャンピオンをここで決められたのは悔しいです。だから最終戦ではいい形で終われるようにしたいですね。今回いい流れを作ることができたので、最終戦を非常に楽しみにしています。
山本尚貴選手
交代直後、ペースは良かったんです。予定よりも早めのピットインにはなりましたが、コースに復帰したときは割といいポジションで戻ったし、他車を抜くこともできました。でもその一方でバトルをしてるときにはすでにタイヤがキツいなぁ、と感じ始めていました。でも、再び自分のスティント真ん中位になると、再びバランスがよくなってきて、ペースもまた元に戻ったりしていたんです。このまま行けるかと思ったんですが…。残り10周くらいになったときに、急激にリアがなくなり、(タイヤ交換のために)ピットインするかどうかをチームとは無線でやりとりしてました。僕としてはチームの心配もわかっていたし、安全策をとってピットインさせたいという思いも伝わってはいましたが、残り9周の時点だったし、ここでピットインしたらポイントが獲れないと思い、お願いして最後まで行かせてもらいました。最後の2周はかなり危ない状態になり、”なんとかもってくれ”という思いだけで走ってました。
結果としてポイントが獲れたのは良かったのですが、今日でチャンピオンが決まってしまい、ドライバーとして阻止できなくて残念です。でも最終戦に向けてまだランキング2位になれるチャンスは残っているので、そこに向けて目指してガンバっていきたい。もてぎでは勝ちたいと思います。
手塚長孝オペレーテイングテクニカルディレクター
今回のレースはとても厳しいコンディションでの戦いになりました。そんな中、ふたりのドライバーは最後までよく耐えてくれたと思います。思いの外、タイヤに厳しいレースになってしまいましたね。最初は伊沢選手でもっと引っ張れるかと思っていたのですが、予定外にピットインのタイミングが早まってしまいました。その後も山本選手のスティントで、タイヤが厳しくなったので、ピットインさせる考えもありました。ただ、なんとかポイントを獲ってフィニッシュしたい、というドライバーの思いもあり、そのままレースを続行しました。ホント、大変な状況の中でポイントが獲れて良かったと思います。最終戦はウェイトも下ろせるので、勝ちに行きたいですね。
決勝レース結果
Po | No | Machine | Driver | Time/Diff. | Laps | Best Lap | Tire | WH |
1 | 1 | S Road REITO MOLA GT-R | 柳田 真孝 | R.クインタレッリ | 2:09'45.269 | 65 | 1'46.968 | MI | 58 |
2 | 32 | EPSON HSV-010 | 道上 龍 | 中山 友貴 | 7.581 | 65 | 1'47.018 | DL | |
3 | 19 | WedsSport ADVAN SC430 | 荒 聖治 | A.クート | 31.747 | 65 | 1'47.723 | YH | 19 |
4 | 24 | D'station ADVAN GT-R | 安田 裕信 | B.ビルドハイム | 35.489 | 65 | 1'47.907 | YH | 14 |
5 | 39 | DENSO KOBELCO SC430 | 脇阪 寿一 | 石浦 宏明 | 1'45.603 | 65 | 1'46.861 | MI | 43 |
6 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R | 本山 哲 | M.クルム | 1'47.611 | 65 | 1'47.622 | BS | 30 |
7 | 38 | ZENT CERUMO SC430 | 立川 祐路 | 平手 晃平 | 1'49.213 | 65 | 1'48.437 | BS | 50 |
8 | 100 | RAYBRIG HSV-010 | 伊沢 拓也 | 山本 尚貴 | 1Lap | 64 | 1'49.157 | BS | 38 |
9 | 18 | ウイダー HSV-010 | 小暮 卓史 | C.ヴァン・ダム | 1Lap | 64 | 1'48.646 | BS | 34 |
10 | 12 | カルソニックIMPUL GT-R | 松田 次生 | J-P.オリベイラ | 1Lap | 64 | 1'48.759 | BS | 43 |
11 | 8 | ARTA HSV-010 | R.ファーマン | 小林 崇志 | 1Lap | 64 | 1'48.769 | BS | 12 |
12 | 6 | ENEOS SUSTINA SC430 | 伊藤 大輔 | 大嶋 和也 | 1Lap | 64 | 1'48.588 | BS | 33 |
13 | 35 | KeePer Kraft SC430 | 国本 雄資 | A.カルダレッリ | 1Lap | 64 | 1'48.481 | BS | 28 |
14 | 17 | KEIHIN HSV-010 | 金石 年弘 | 塚越 広大 | 2Laps | 63 | 1'48.231 | BS | 30 |
15 | 36 | PETRONAS TOM'S SC430 | 中嶋 一貴 | L.デュバル | 2Laps | 63 | 1'48.257 | BS | 74 |
天候:雨 | コース:ウェット