第7戦 オートポリス
公式予選 10月5日(土) | 決勝レース 10月6日(日) |
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RAYBRIG HSV-010、出入りの激しいレースを強いられ12位に終わる
午後に入ると、依然として薄曇りながら雨は止み、路面も完全にドライコンディションへと回復を見せた。午後2時、65周にわたる戦いがスタートし、No.100 RAYBRIG HSV-010のスタートドライバーを務めた伊沢がポジションキープの6位でオープニングラップを終える。
このオートポリスはアップダウンがきつい上、路面の特性からタイヤへの負担も大きく、様々な面でのマネージメントがとりわけ難しいコースとして知られる。とりわけ今回は不安定な天候、練習走行時間もないぶっつけ本番での一戦となったため、各車タフな戦いを強いられることは必至。またコース上のタイヤかすがタイヤのトレッドに付着することでハンドリングにも大きな影響が出る。序盤から早くもこのような兆候が出始め、細かなポジション変動が見られるようになった。
伊沢もひとつポジションを下げて7位で周回、とはいえ、つねに逆転のチャンスがある距離でのバトルを続けるなど粘りの走りを見せた。そして31周を終えてルーティンのピットインを迎える。
前後車両のライバルたちとほぼ同タイミングでピットインしたこと、またピットクルーがスムーズに作業を済ませて新たにステアリングを握る小暮を送り出したことにより、No.100 RAYBRIG HSV-010はポジションアップのチャンスを手に入れた。コースに出た小暮もできる限り早い段階からペースアップし、ライバルとの差を広げたい一心でアクセルオン。だがヘアピン手前のT3コーナーで23号車と接触。その勢いでスピンを喫し、コースアウトする。さらに続々と通過する車両を待つなどコース復帰に時間を要したため、大きくポジションを落とすことになってしまった。
結局、No.100 RAYBRIG HSV-010は13番手でレースに復帰。一時はトップと変わらぬペースで周回、後半での粘りに期待がかかったが、先の接触でタイヤがスローパンクチャーとなり、万事休す。小暮は巧みにクルマをコントロールし、終盤は12位で周回を重ねていたが、安全確保のためについに53周を終えてピットイン。タイヤ交換を済ませると、チェッカードフラッグまで渾身の走りを見せて12位でレースを終えることになった。
今回、ノーポイントに終わったNo.100 RAYBRIG HSV-010は、最終戦を前にランキング9位となり、惜しくもシリーズタイトル獲得の可能性を失った。しかしながら、ラストランとなるHSV-010GTでのベストレースを披露するため、有終の美を飾るべく、尽力するのは言うまでもない。
高橋国光総監督
今日のような難しい条件のレースになると、ドライバー自身が耐えて耐えて耐え抜いて、自分との闘いに勝つ必要があります。それができたかどうか、が今回の結果だったと思います。うちは速いドライバーふたりが揃って、強いレースができるチームですが、オートポリスはふたりとも得意とするコースだっただけに、余計にエキサイトしてしまったのかもしれませんね。残念な結果となりました。今日のような展開は、モータースポーツの難しさ、厳しさを現しているものでしたが、なかなか一般の方には伝わらない部分なので、余計に悔しいですね。最終戦のもてぎではふたりの集大成を見せてもらえればいいなと思います。とにかく最後まで諦めずに戦ってもらいたいですね。
伊沢拓也選手
今回はサーキット特有の難しさ、とくにタイヤの問題などを全車が多分抱えていたと思いますが、今日の流れを見ると、レース中に何事もなければどの順位まで行くことができたのだろうと思いますね。自分としてはポジションも落としてしまったのですが、ピットのタイミングで前に出るチャンスが巡ってきたし、レースそのものも最後まで各クルマに色んなことが起きていただけに、余計にそう思います。ピットインのタイミングは周りを見ながら、引っ張れるだけ引っ張って入りました。結果として自分たちより前にいたクルマの前でコース復帰することができたので、いいタイミングだったと思います。今回の結果により、チャンピオン争いに挑むチャンスはなくなってしまいました。今年はポイントの取りこぼしも多く、ここ4戦連続しっかりと戦っていないので、最終戦こそしっかりがんばるとしかいえないです。
小暮卓史選手
23号車のGT-Rと接触し、タイヤがスローパンクチャーを起こしました。接触後そのまま走っていましたが、最後やっぱりタイヤがダメになってしまい、それでタイヤ交換のためにピットインすることになりました。クルマのペースはすごく良かったのでもったいないことしました。チームにも申し訳ないです。接触後にスピンし、コースに復帰するまでに時間がかかり、大きくドロップしてしまいました。ほんの僅かな接触だったのですが…でも一周目なのでタイヤが冷えているし、切れてしまったのだと思います。レースは全然いくつもりだったんです。でも、最後は危ない状況になると思い、戻ってタイヤ交換しました。最終戦では開幕戦のように何も考えず行けたらと思います。もっとピュアになって集中して戦います。
手塚長孝オペレーテイングテクニカルディレクター
予選のアタック自体はセクター2までタイムが良く、ポールポジションを狙えるくらいかなりいい状況でした。が、セクター3でちょこっと失敗したみたいで、6位になりました。もったいないなという思いがあります。決勝でのピットインのタイミングは、セオリーをやっただけ。31周目とレースのほぼ半分近く済んだので、ピットインしました。その直後、コース上で23号車と接触し、タイヤが冷えていたので、スピンしてしまったようです。これで復帰するのですごく時間かかったのが痛かったですね。次はもう最終戦なので、タイトルの可能性は逃しましたが、ポールポジションを獲り、勝つということを目指して頑張るのみです。
決勝レース結果
Po | No | Machine | Driver | Time/Diff. | Laps | Best Lap | Tire | WH |
1 | 36 | PETRONAS TOM'S SC430 | 中嶋 一貴 | J.ロシター | 1:55'03.613 | 65 | 1'41.890 | BS | 34 |
2 | 38 | ZENT CERUMO SC430 | 立川 祐路 | 平手 晃平 | 2.622 | 65 | 1'40.434 | BS | 43 |
3 | 17 | KEIHIN HSV-010 | 塚越 広大 | 金石 年弘 | 2.811 | 65 | 1'41.861 | BS | 41 |
4 | 1 | REITO MOLA GT-R | 本山 哲 | 関口 雄飛 | 11.227 | 65 | 1'41.206 | MI | 20 |
5 | 18 | ウイダー モデューロ HSV-010 | 山本 尚貴 | F.マコヴィッキィ | 11.841 | 65 | 1'41.373 | MI | 46 |
6 | 24 | D'station ADVAN GT-R | 安田 裕信 | M.クルム | 12.326 | 65 | 1'42.083 | YH | 7 |
7 | 39 | DENSO KOBELCO SC430 | 脇阪 寿一 | 石浦 宏明 | 12.735 | 65 | 1'42.107 | BS | 37 |
8 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R | 柳田 真孝 | R.クインタレッリ | 24.134 | 65 | 1'41.216 | MI | 44 |
9 | 37 | KeePer TOM'S SC430 | 伊藤 大輔 | A.カルダレッリ | 24.474 | 65 | 1'41.813 | BS | 40 |
10 | 32 | Epson HSV-010 | 道上 龍 | 中嶋 大祐 | 46.935 | 65 | 1'42.680 | DL | 3 |
11 | 6 | ENEOS SUSTINA SC430 | 大嶋 和也 | 国本 雄資 | 52.084 | 65 | 1'42.179 | BS | 32 |
12 | 100 | RAYBRIG HSV-010 | 伊沢 拓也 | 小暮 卓史 | 1'18.304 | 65 | 1'41.334 | BS | 37 |
13 | 19 | WedsSport ADVAN SC430 | 荒 聖治 | A.クート | 1Lap | 64 | 1'42.613 | YH | 8 |
14 | 8 | ARTA HSV-010 | R.ファーマン | 松浦 孝亮 | 4Laps | 61 | 1'42.073 | BS | 31 |
- | 12 | カルソニックIMPUL GT-R | 松田 次生 | J-P.オリベイラ | 32Laps | 33 | 1'41.269 | BS | 46 |
天候:曇 | コース:ドライ