第1戦 岡山国際サーキット
公式予選 4月5日(土) | 決勝レース 4月6日(日) |
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RAYBRIG NSX CONCEPT-GT、14位からの巻き返しを狙う!
4月5、6日、岡山県・岡山国際サーキットにおいて2014年のSUPER GTシリーズが開幕。「OKAYAMA GT300km RACE」として初レースが行われた。ニューマシン、No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTは予選14位からスタートを切り、決勝では終始粘りある走りを続けて9位でフィニッシュ。タフな戦いの中で入賞を果たし、ポイント獲得に成功している。
今シーズンのSUPER GTにおける特筆すべきは、なんといってもGT500クラス全車がニューマシンを投入した点にある。シャシーおよびエンジンが刷新され、ホンダ勢はかつてシリーズチャンピオンに輝いた経験を持つNSXの名を復活。NSXCONCEPT-GTとしてシーズンを戦う。また、エンジンはスーパーフォーミュラのシャシーSF14にも搭載される2リッター直列4気筒・直噴ターボエンジンを新たに開発。加えてホンダ勢はミッドシップかつハイブリッドシステムを搭載しているため、ライバルたちとは異なるアプローチでシリーズ戦に挑むこととなる。
今シーズン、TEAM KUNIMITSUのNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTをドライブするのは、小暮卓史と武藤英紀のふたり。小暮はチーム2年目、そして武藤はニューフェイスとなる。オフシーズンの間、繰り返されてきたテストではニューマシンならではのトライ&エラーなども含め、ときには困難な出来事にも見舞われてきたが、都度チームでは対策を練り、改善を重ね、緻密な準備を進めてきた。
迎えた初戦の予選日。搬入日にあたる前日金曜日は花曇りとなり、気まぐれな雨が降るなど落ち着かない天気だったが、土曜日はさらに冷たい空気がサーキット上空に流れ込んだ。午前9時、薄曇りの中で公式練習のセッションがスタート。まずチームでは、GT300クラスとの混走枠に小暮を送り込み、周回を重ねるスケジュールを進めた。
開始からほぼ1時間が経過、この段階で赤旗が提示されたが、このあと、小暮から走行を受け継ぎ、周回を重ねていた武藤がコースサイドでストップするアクシデントが発生。セッション中に自走でクルマをピットに戻したが、原因はタイヤパンクチャー。スタッフはタイヤ交換はもちろんのこと、クルマの再点検などの作業に追われることとなった。
GT300専有走行を経て、午前10時50分からはGT500の専有走行がスタート。再びNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTには小暮が乗り込み、コースへと向った。セッション前半での遅れを取り戻すべく精力的に走り込みを行う一方、タイムアップにも成功した小暮は1分21秒096をマーク。8番手につける結果を残した。
薄曇りながらも少し日が差す中、午後2時15分からQ1のセッションがスタート。朝の公式練習で従来のコースレコードを更新するライバルたちが現れ、ニューマシンのポテンシャルの高さ、速さがクローズアップされたが、どのチームもまずこのQ1通過が第一目標となるのは言うまでもない。15分間の攻防の末に上位8台に残ることが必須条件となる。
アタック開始直後はピットを離れるクルマも少なく、残り時間10分を前にして大半のクルマが我先にとばかり、コースへと向っていった。No.100 RAYBRIG NSXCONCEPT-GTのステアリングを握ったのは、小暮。タイヤにしっかりと熱を入れ、アタックモードへ。しかし、クルマの動きが公式練習時とは打って変わって異なり、スピードに乗ってこない。計測5周目に自己ベストを更新して1分21秒100のタイムをマークしたものの、さらにコースレコードを塗り替えるトップグループのタイムには及ばず。実はクルマにトラブルが発生しており、存分なスピードでのアタックができない状態だったことから、No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTは14番手どまり。結果、Q2への進出権を手にすることができずに予選を終えている。
アタックを終えた小暮はやりきれない表情。「よりによって予選でトラブルが出るとは…。本来のポテンシャルが出せずに終わり、本当に残念です」と、悔しさを口にした。とはいえ、「公式練習中の流れは決して悪くはなかったし、色々メニューも試すことができたし、問題点も明確になりました。決勝ではがんばるだけ」と前向きなコメントを残した。一方、チームでの初予選を終えた武藤は、「朝のセッションでタイヤがパンクしたので、思うように走れなかったです」と苦笑い。「アウトラップ中のハプニングで、ツイてなかったですね。それに予選でもQ1でクルマのトラブルが出てしまったし…。明日の決勝では気持ちを切り替えて挑みます」と小暮との初レースに意気込みを見せた。
公式予選結果
Po | No | Machine | Driver | Q1 | Q2 | Tire | WH |
1 | 6 | ENEOS SUSTINA RC F | 大嶋 和也 | 国本 雄資 | 1'19.946 | 1'19.404 | BS | |
2 | 12 | カルソニックIMPUL GT-R | 安田 裕信 | J-P.オリベイラ | 1'19.871 | 1'19.474 | BS | |
3 | 46 | S Road MOLA GT-R | 本山 哲 | 柳田 真孝 | 1'20.203 | 1'19.574 | MI | |
4 | 36 | PETRONAS TOM'S RC F | 中嶋 一貴 | J.ロシター | 1'20.516 | 1'19.777 | BS | |
5 | 37 | KeePer TOM'S RC F | 伊藤 大輔 | A.カルダレッリ | 1'19.862 | 1'19.804 | BS | |
6 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R | 松田 次生 | R.クインタレッリ | 1'19.876 | 1'19.906 | MI | |
7 | 17 | KEIHIN NSX CONCEPT-GT | 塚越 広大 | 金石 年弘 | 1'20.313 | 1'20.176 | BS | |
8 | 18 | ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT | 山本 尚貴 | J-K.ベルネ | 1'19.968 | 1'21.110 | MI | |
9 | 39 | DENSO KOBELCO SARD RC F | 石浦 宏明 | O.ジャービス | 1'20.530 | | BS | |
10 | 24 | D'station ADVAN GT-R | M.クルム | 佐々木 大樹 | 1'20.564 | | YH | |
11 | 1 | ZENT CERUMO RC F | 立川 祐路 | 平手 晃平 | 1'20.661 | | BS | |
12 | 8 | ARTA NSX CONCEPT-GT | V.リウッツィ | 松浦 孝亮 | 1'20.927 | | BS | |
13 | 19 | WedsSport ADVAN RC F | 脇阪 寿一 | 関口 雄飛 | 1'20.945 | | YH | |
14 | 100 | RAYBRIG NSX CONCEPT-GT | 小暮 卓史 | 武藤 英紀 | 1'21.100 | | BS | |
15 | 32 | Epson NSX CONCEPT-GT | 中嶋 大祐 | B.バゲット | 1'21.306 | | DL | |
天候:曇/ドライ(天候/コース)