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第8戦 ツインリンクもてぎ

公式予選 11月14日（土）	決勝レース 11月15日（日）

　天気予報では雨が上がると言われた決勝日の朝。だが僅かではあるが雨が降る中でフリー走行が始まる。気温14度、路面温度15度と前日の予選とほぼ同じコンディション。しかしセッション終盤ともなると、雨が格段減り、先にコースインした山本選手から引き続いてドライブしていた伊沢選手がトップタイムをマークし、走行を終えている。「クルマの状態もどんどん良くなり、いいレースができるのではないかという手応えがある」と伊沢選手。天候、路面状況次第という不確定要素が多い中ではあるが、的確な戦略で攻めの戦いができるという自信を裏付けることとなった。

午後の決勝に合わせるかのように雨は上がり、薄曇りの空が一面に広がる。レース中の安全面を配慮し、ウォームアップ走行が通常の8分間から18分へと延長され、各チームともコンディションの把握に余念がない中、ついに午後1時40分、パトカーの先導によるパレードラップが始まった。このあと、セーフティカーが代わって先導、ローリングスタートによって250km、53周にわたる最終決戦が幕を開けた。

No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTのスタートドライバーを務めたのは、山本選手。ポジションキープでオープニングラップを終え、逆転のチャンスを窺いながら周回を重ねていった。すでに路面から水煙は上がらなくなり、ドライバーには乾き始めた路面の中、装着しているレインタイヤをいかにコントロールするかという役割が与えられる。そのコース上は、山本選手が前後の車両と僅差で攻防戦を続ける緊迫した状態ではあったが、チームでは22周を終えてルーティンワークのピットインを行なう決断を下す。

折しもトップ走行中の37号車と同時ピットインとなり、その37号車の背後でコースに復帰したNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTには伊沢選手が乗り込んでいる。この後、他車も続々とピットインを行なったが、中でも1号車がライバルより明らかに短い作業でコースに復帰。伊沢選手は実質3番手で激しいポジション争いをスタートさせた。

レースは26周目、2コーナーでGT500とGT300の車両が接触し、破損したパーツが散乱。それを回収するためにセーフティカーが5周にわたって導入された。その後のリスタートでNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTは3番手をキープ。背後にはチャンピオン争いをする12号車が迫っていた。一方で伊沢選手も目前の37号車を攻略し、一度は2番手へと浮上。だが激しい混戦が続き、終盤は3番手で周回を重ねていく。今シーズン最終戦のバトルは、最後の最後、チェッカーを受けるまでトップ3台が1秒を切る僅差のポジション争いを展開する白熱戦でその場を大いに盛り上げた。よってNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTは3位でチェッカーを受け、今年の戦いを終了することとなった。

今シーズン3度目の表彰台に上がったNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT。序盤は思わぬトラブルが重なり、厳しい戦いを強いられることもあったが、第6戦SUGOでの優勝を含め、つねにチームとして諦めず向上心を持ち続けてチャレンジしたことが、最終戦での3位、そしてドライバーランキング3位の好成績を導いたといえる。

高橋国光総監督 とってもいいレースでした。チームではクルマ作りも正しい方向で進めることができ、本当にレベルの高い戦いを繰り広げてくれました。さらにはドライバーがその思いにキチンと応えていたと思います。そこにはファンの皆さまからの熱い思い、応援から頂いた力も含まれるでしょう。うれしい結果を残してくれました。天候の変化はじめ、セーフティカーなど様々な不確定要素が多かったですが、一方でレース内容は誰がみても凄いと驚くようなすばらしい中身だったと思います。モータースポーツが持つ醍醐味、魅力を感じていただけたのではないでしょうか。そういう気がします。終盤に入り、タイトル争いが絡む車両とのバトルにもなり、見どころある攻防戦になりました。伊沢選手がしっかり凌いでくれましたが、そこに至るまでの山本選手の活躍も素晴らしいものだったと思います。ふたりのコンビネーションがさらに強くなりましたね。
　今季は開幕戦で表彰台に上がったものの、その後低迷が続き悔しい思いが先行しました。しかし、第6戦SUGOで優勝、そして最終戦で3位に入り、再び表彰台に上がることができたのですが、こういう結果が伴ってくると、チームとしてもまた監督としても欲が出てきますね（笑）。もう来年は絶対チャンピオン獲得！ という思いが強くなっています。それだけの働きができるドライバー、チームスタッフが揃っていると思いますので、我々をつねに応援してくださっているスポンサーはじめ、ファンの皆さまに心から感謝するとともに、これからもご協力いただければと思います。ありがとうございました。

山本 尚貴選手 　天候とコンディションがすごく難しい中、最後までしぶとく戦うことができました。今日は前半で64号車を抜ければ良かったんですが、難しかった。まずはコース上に残って今のポジションをしっかりとキープして、伊沢（拓也）選手にバトンを渡すことが大事だと思いました。代わった伊沢選手は、レースウィーク中で初となるスリックタイヤを着け、ラインが1本しかない中で走るというすごく難しい中でちゃんとレースをしてくれました。ただ、本人は優勝を目指していた、とすごく悔しそうで…。その気持ちはすごくわかります。今日は緊迫した戦いの中でしっかりと結果を残せるかどうかがすごく重要だったと思います。今シーズンはタイトルが獲れず、また最終戦も優勝できませんでしたが、弾みをつけて来シーズンを迎えることはできると思います。

今シーズンは、開幕戦からタイトル獲得に向けて幸先よいスタートが切れたと思ったのですが、その後の序盤戦はトラブルで2戦落とすことになりました。でもあの2戦があったからこそSUGOで優勝できたとも思うし、レースってこういうものだと思います。何がやっぱり一番良かったかというと、ポイントを落とした時にでも、チームのみんなが投げ出さず勝とうという気持ちをもって堪えてきたのがこの結果に繋がったと思います。もちろんドライバーとしても伊沢選手とともにがんばったところもありますが、何が一番救われたかっていうとツライなかでも腐らずにがんばってくれたチームのみんなのおかげだと思います。チームのみんなと一緒に勝ち取った最終戦の3位とランキング3位だと思います。

伊沢 拓也選手 難しいコンディションでの戦いでしたが、僕の中では、自分のクルマが他よりも速かろうが遅かろうがあの位置で戦っていたからにはホントに勝ちたかったんです。でもそれができなかったから悔しいですね。ちょっとミスもあったし、悔しい。今回、少なからずともチャンピオンの可能性もあった僕らにとって、まず勝つことでしか（タイトル獲得）可能性がなかったわけなので、勝たなきゃいけないレースだったんです。相手の順位がどうであれ、今日の僕らの順位ではチャンピオンが獲れなかったことは事実だし。（流れやコンディションが）良かったとはいえ、ポールも獲れず、レースでも勝てなかったわけですから、これが今週の僕らの力だったんだなと思います。
　今シーズンは、僕も山本選手もコンビとして復活して1年目。改めて、新規、一からスタートという気持ちで始めました。シーズン前半は開幕こそ順位が良かったものの、正直手応えとしてはそんなに良いものではありませんでした。ただ後半に向けて尻上がりに調子が良くなり、最終的にはシリーズ3位という結果を手にすることができました。もちろんチャンピオンを獲れなかったことは残念なのですが、ほんとに良い結果だと受け止めています。他のHonda勢も苦戦していたことを考えると僕らが手にした3位というものはとても大きい。苦しい中でもみんながミスなく戦ってきた結果だと思います。



今回のレースで2015年のシリーズは終了いたしました。
皆様のご支援・ご声援ありがとうございました。

Po	No	Machine	Driver		Time/Diff.	Laps	Best Lap	Tire	WH
1	37	KeePer TOM'S RC F	A.カルダレッリ	平川亮	1h43'10.687	53	1'41.759	BS
2	1	MOTUL AUTECH GT-R	松田次生	R.クインタレッリ	0.591	53	1'41.606	MI
3	100	RAYBRIG NSX CONCEPT-GT	山本尚貴	伊沢拓也	1.389	53	1'41.531	BS
4	12	カルソニック IMPUL GT-R	安田裕信	J-P.オリベイラ	1.63	53	1'41.654	BS
5	38	ZENT CERUMO RC F	立川祐路	石浦宏明	3.112	53	1'41.523	BS
6	39	DENSO KOBELCO SARD RC F	平手晃平	H.コバライネン	4.375	53	1'41.884	BS
7	15	ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT	小暮卓史	O.ターベイ	10.49	53	1'41.574	BS
8	17	KEIHIN NSX CONCEPT-GT	塚越広大	武藤英紀	1'33.028	53	1'41.685	BS
9	6	ENEOS SUSTINA RC F	大嶋和也	国本雄資	1'39.104	53	1'41.461	BS
10	19	WedsSport ADVAN RC F	脇阪寿一	関口雄飛	1Lap	52	1'41.384	YH
11	8	ARTA NSX CONCEPT-GT	松浦孝亮	野尻智紀	1Lap	52	1'41.833	BS
12	24	D'station ADVAN GT-R	佐々木大樹	M.クルム	1Lap	52	1'41.569	YH
13	64	Epson NSX CONCEPT-GT	中嶋大祐	B.バゲット	2Laps	51	1'42.235	DL
14	46	S Road MOLA GT-R	本山哲	柳田真孝	28Laps	25	1'44.277	MI
15	36	PETRONAS TOM'S RC F	伊藤大輔	J.ロシター	43Laps	10	1'50.034	BS