STANLEYTEAM KUNIMITSU

RACE 2016 SEASON

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ROUND2 FUJI GT 500KM RACE

第2戦 富士スピードウェイ

公式予選 5月3日(決勝レース 5月4日(
QUALIFYINGRACE
RAYBRIG NSX CONCEPT-GT、タイヤトラブルに泣く

前夜遅くから雨となったサーキット周辺。夜明けを迎えてなお本格的な暴風雨となり、レースでのコンディションが懸念された。だが、午前7時前にはすっかり雨は止み、すっきりと澄み渡った青空がサーキット一面に広がって、残雪わずかな富士山も雄大な姿を現すこととなった。

フリー走行は午前8時30分にスタート。日差しが出る中、気温18度、路面温度は早くも24度にまで上がっており、コース上は見た目ほぼドライ。一部にウェットパッチが残る程度ということもあり、ウェット宣言は出ていたが、No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTはすぐにスリックタイヤでセッションに取り組んだ。

今大会のレース距離は500km。通常より150km長い戦いとなり、レース中はルーティンのピットイ ンが最低でも1回多くなる。都度ドライバー交代は必至で、給油やタイヤ交換などはその状況に合せ て各チームが戦略をもってコントロールする。フリー走行中はそのピット作業のシミュレーションをはじめ、決勝中のレースペースの確認など、細かな作業に時間をかけてセッションを終了。No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTは1分31秒250のタイムで8番手につけた。

快晴に恵まれた決勝は、5万人を超える観客が来場。レース直前のグリッドも多くの人が詰めかけ、その熱気が冷めやらぬ中、いよいよ500kmレースの戦いが幕を開けた。富士スピードウェイの長いメインストレートには強い追い風が吹き、気温22度、路面温度はレースウィーク最高の40度まで上昇する中、No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTは山本尚貴選手がスタートドライバーとしてクリアスタートを切った。

まずは予選順位の8番手でオープニングラップを終えたNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT。大きな混乱もなく、序盤は順調に周回を重ねていく。早くも6周を終える頃には、GT300車両によるバックマーカーが出現。GT500同士のポジション争いだけでなく、GT300をタイミングよくかわす作業が加わるという、緊迫した時間が増えていく。だが山本選手は安定したタイムを刻み、ポジションアップの好機を狙いながら、走行を続けた。

500km、110周で競う中、その3分の1が近づく30周目、No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTが100Rでスピン。その後、スピードを大きく落として走る姿がコース上の様子を伝えるモニターに映し出された。左リアタイヤにダメージを負っており、山本選手は大事を取ってクルマをコントロールしながらピットへと帰還。一旦、ガレージへと納められ、慌ただしく作業が始まった。スロー走行、そしてピットでの作業によって大きなロスタイムができたことで、残念ながらNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTは、周回遅れの状態でコースへと復帰。だが、山本選手から代わった伊沢選手は、気持ちを切り替えて再び戦線に向って行った。


しかし、68周目を走行中だったNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTにまさかの悪夢が訪れる。100Rでタイヤが突然バースト、この勢いでクルマのボディパーツが激しく破損する。伊沢選手はスピードに乗ったまま、なんとかクルマをコントロール、セーフティゾーンぎりぎりのところでクルマを停止させた。むき出しに近い状態のクルマから自身でクルマを離れたことから、伊沢選手に幸い大きな怪我はないことがわかったが、無残な姿となったNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTは、その場で戦いを終えるしかなかった。レースはこれを機にセーフティカーが導入され、また今季から新たに採用された規則によって波乱の展開を生む戦いとなったが、No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTにとっては、なんとも悔しさあふれる一戦だったのは言うまでもない。

なお、レースウィーク中に先の熊本地震の影響を受け、第3戦オートポリスの中止が正式に発表された。ただし、年8戦開催の予定を検討しており、今後新たな開催案が発表されると言われている。


◎高橋国光総監督
大きなアクシデントながら、伊沢選手には怪我もなく、幸いでした。原因をこれから究明していくことにはなりますが、やはり今後レースを戦って行く上でも、このことをひとつの糧としてキチンと対応して いく必要があると思います。レースに関わる者はみな、それぞれの仕事で懸命に作業をしているわけですが、しかし、危険と紙一重の中で戦っている以上、やはりあってはいけないことだとも思います。レースウィークを通して、8万人ものお客様がレースを楽しむためにサーキットに足を運んでくれているわけです。そこであのようなことがあったのは、非常に残念でもありました。色んな意味でレベルアップを求めていく必要があるでしょう。開幕戦の岡山そして今回の富士と、我々チームにとっては大変つらい状況が続きました。これからのレースでは、まずキチンと戦えるよう、しっかりと準備していかなければなりませんね。

◎山本尚貴選手
正直、クルマには満足できるトップスピードはなく、岡山同様に厳しい戦いでした。その一方で、選んだタイヤとクルマのマッチングはよく、決勝でのペースは決して悪いものではありませんでした。前のクルマをプッシュしていた矢先のバーストだったので、悔しいですね。レースは道具を使って戦うものなので、こういうトラブルは付きものだとも思いますが、なぜこのようなことが起こったのかをまずはキチンと解明してほしい。そして今後のレースに向けてみんなでまたしっかりできることから準備をしていきたいと思います。


◎伊沢拓也選手
予選から自分たちのできる中で、岡山よりは良くなっていたし、ペースを見ても岡山よりはしっかりと戦えているという感触はありました。一方で、まだトップには届いていないのも正直なところですね。次のSUGO戦まで時間はあるし、その間に合同テストも2回あるので、これを活用しないと。ほんとにだいぶやりこんだ上で、初めて上位と勝負ができると思っているので、菅生でチャンスがくるよう、しっかりチームで整えていきたいと思います。今日はまず山本選手のときにタイヤトラブルが出て、この時点で一旦戦列を離れてしまうことになりました。さらに僕もまたこういうタイヤバーストという結果になったんですが、ペースを上げた中でトラブルが出たのは非常に残念です。でも乗ってる感触を含めて結構いい感じではあったので、そこは今後に向けて良かったところをもっと伸ばしていけるようにしていきたいですね。

決勝レース結果

Po No Machine Driver Time/Diff. Laps Best Lap Tire WH
1 1 MOTUL AUTECH GT-R 松田 次生 R.クインタレッリ 2:58'58.430 110 1'30.748 MI 40
2 39 DENSO KOBELCO SARD RC F H.コバライネン 平手 晃平 2.666 110 1'31.048 BS 8
3 37 KeePer TOM'S RC F J.ロシター 平川 亮 14.346 110 1'30.860 BS 32
4 36 au TOM’S RC F 伊藤 大輔 N・キャシディ 15.025 110 1'31.023 BS 6
5 6 WAKO'S 4CR RC F 大嶋 和也 A・カルダレッリ 20.158 110 1'31.267 BS 16
6 8 ARTA NSX CONCEPT-GT 松浦 孝亮 野尻 智紀 1'00.064 110 1'30.865 BS
7 46 S Road CRAFTSPORTS GT-R 本山哲 千代 勝正 1Lap 109 1'30.862 MI 22
8 19 WedsSport ADVAN RC F 関口 雄飛 国本 雄資 1Lap 109 1'31.679 YH 4
9 24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R 佐々木大樹 柳田真孝 1Lap 109 1'30.470 YH
10 64 Epson NSX CONCEPT-GT 中嶋 大祐 B.バゲット 1Lap 109 1'31.422 DL
11 12 カルソニック IMPUL GT-R 安田 裕信 J-P.オリベイラ 4Laps 106 1'30.592 BS 12
12 17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT 塚越 広大 小暮 卓史 16Laps 94 1'30.957 BS
13 15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT 武藤 英紀 O.ターベイ 16Laps 94 1'31.290 BS
14 38 ZENT CERUMO RC F 立川 祐路 石浦 宏明 33Laps 77 1'31.143 BS 10
100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT 山本 尚貴 伊沢 拓也 43Laps 67 1'31.454 BS 2

天候:晴れ | コース:ドライ
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