第3戦 オートポリス
公式予選 5月20日(土) | 決勝レース 5月21日(日) |
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決勝日も心地よい山間の天気に恵まれたオートポリス。澄み渡る青空の下、午後2時からの決勝を前に、午前中はピットウォークやトークショーなどファン交流のイベントが続いたが、その中で山本、伊沢両選手はリラックスした表情を見せつつ、次第に決勝に向けて士気を高めていった。
前日の予選では、山本尚貴、伊沢拓也両選手ともセットのフィーリングを確認しながら調整を続け、そして、終盤にはニュータイヤを装着した山本尚貴選手が1分33秒783をマーク。結果、No.100 RAYBRIG NSX-GTはトップでセッションを終えている。
そして、迎えた午後2時。決勝セレモニーの後、県警の白バイ、パトカー先導によるパレードランを経て、フォーメーションラップがスタート。その後、オープニングラップからハイペースでの戦いとなったが、スタートドライバーを務めた山本選手は後続をシャットアウトしてトップをキープ。その勢いのまま、4周目には2位との差を約6秒へと広げた。予選同様、決勝でもいい流れを意識するかのようなレース運びを見せていた山本選手。だが、その翌周に思わぬハプニングが発生する。
レース5周目、最終コーナーひとつ手前のT17でNo.8 NSX-GTがスピン。これを回避しきれずGT300車両が8号車に衝突。さらにこれを避けようとした別の後方車両もアクシデントに巻き込まれ、コース上にはたくさんの破片が散乱する。これを受け、セーフティカーがコースイン。山本選手が築き上げたマージンを一瞬にして消し去ってしまう。まさかの展開ながら、平常心を保ちながらSCランを重ねた山本選手。14周目にレースが再開すると、2位以下を引き離すべく、再びペースアップ。一方で2位以下も縦一列状態でポジション争いを展開、No.100 RAYBRIG NSX-GTの背後に2台のレクサスLC500が忍び寄った。山本選手は1秒を切る僅差の中、高い集中力で後続車を掌握。トップ死守のまま33周を走り切り、ルーティンのピットインを迎えた。
伊沢選手へとスイッチ、さらにタイヤ交換、給油を終えてコースへと向かったNo.100 RAYBRIG NSX-GT。だが、同時ピットインのNo.1 LC500がひと足先に作業を終えてコースへ復帰。逆転を許す。この後、上位陣のピットインが終わると、No.100 RAYBRIG NSX-GTは3番手からの追い上げを開始する一方、4番手に浮上したNo.17 NSX-GTとのバトルを強いられる。伊沢選手は、サイド・バイ・サイドの攻防戦を何度も凌いだが、53周目、ペースに勝る17号車が先行。一方、トップ争いをしていた2台のレクサス同士がレースアクシデントを起こし、1台が後退。伊沢選手は再び3番手でレース終盤の戦いに向かった。この頃にはタイヤのピックアップも深刻化。思うようなペースを確保できず、さらにNo.46 GT-Rが背後から猛追する厳しい状況下での走行が続いたが、絶妙な駆け引きを見せてこのまま3位でフィニッシュ! No.100 RAYBRIG NSX-GTが今シーズン初となる表彰台の一角に立つこととなった。
シーズン序盤の締めくくりでもあるオートポリス戦で3位を手にしたチームクニミツ。確信していたいい流れを形に出来たことは大きな収穫でもある。一方、よりシビアになる選手権争いに向けて今後どのような戦略で挑むのか、新たなステージでのアプローチが求められる。第4戦SUGOを前にした公式テストで、しっかりと方向性を定め、上昇気流を維持すべく、邁進する。
◎高橋国光総監督
今年は開幕から2戦続いて不安に思うことがあったので、正直、今回も心のどこかで心配がありました。一方で予選でのドライバーふたりによる見事なアタック、それを支えたチームのがんばりはすごかったと思うし、満足できるものでした。レースというものはつねに色々なことが起こり、思うような戦いができなくなります。今回、うちのチームもSCカーが入ったり、タイヤのピックアップがあったり、本来のドライビングができない状況になりました。でもその中でそれぞれがよく踏ん張ったと思います。なので、今回はいいレースだったのではないでしょうか。
ようやく速さを証明し、バトルをお見せできるクルマになりました。次に繋がる一戦だったと思います。信頼性を取り戻したクルマをオートポリスのお客様にお見せできたことはうれしいこと。チームのみんなには、今日の経験を次に活かしてもらい、がんばってもらいたいですね。私自身もオートポリスのレースにはゆかりがあり、相性がいいところです。今回もここでいい結果をお見せできて良かったと思います。
◎山本尚貴選手
今日は、スタート直後がカギになると思っていたのでまずプッシュし、いいギャップを作りました。それができたので、そのまま自分のレース展開に持っていけると思ったのですが…。
でもセーフティカーが入ってしまい、しかもその原因が同じホンダ勢だったので悔しいです。でもこれもレース。SC後は、ペースが思うように上がらず、もしかすると走行中に色んなものを拾ってしまったかもしれません
それで結果的に後方から追い上げられて、突っつかれてしまいました。
後半担当の伊沢選手も頑張ってくれましたが、どうしてもタイヤ的にはきつかったと思います。でもそこで最後まできっちりと堪えてくれて、今日ここで表彰台に上がれたのはうれしいです。
もちろん、同じホンダの17号車が前にいるのは悔しい。しかし、表彰台に2台のホンダが上がれたという意味は大きい。ここから反撃です。今なお、レクサス勢が速いので、僕らが早くキャッチアップできるよう、またみんなとともに頑張ります 。
◎伊沢拓也選手
悔しいですね。ピットインのときには一応、山本選手からトップでバトンを渡してもらったわけですから。もっとペースが上がっていれば、今日は違った順位だったと思うんです。
でも、どうやってもペースを上げることができなかった。やはり基本的にはタイヤのピックアップがありました。
その一方で、そうじゃない状態で走っている人がいたわけだし…。なので、ここは言い訳することなく、自分がうまく対処しなきゃいけないことなのだと思います。今日は結果として、チームとして最低限の仕事として表彰台を確保することができましたが、自分としてはいいレースだったとは言えません。本当に悔しい結果です。
決勝レース結果
Po | No | Machine | Driver | Time/Diff. | Laps | Best Lap | Tire | WH |
1 | 36 | LEXUS TEAM au TOM'S | 中嶋 一貴 | ジェームス・ロシター | 1:59'56.800 | 65 | 1'37.005 | BS | 24 |
2 | 17 | KEIHIN REAL RACING | 塚越 広大 | 小暮 卓史 | 26.592 | 65 | 1'37.475 | BS | 6 |
3 | 100 | TEAM KUNIMITSU | 山本 尚貴 | 伊沢 拓也 | 26.756 | 65 | 1'35.661 | BS | 10 |
4 | 46 | MOLA | 本山 哲 | 千代 勝正 | 27.138 | 65 | 1'36.952 | MI | |
5 | 23 | NISMO | 松田 次生 | ロニー・クインタレッリ | 27.779 | 65 | 1'38.082 | MI | 24 |
6 | 37 | LEXUS TEAM KeePer TOM'S | 平川 亮 | ニック・キャシディ | 28.399 | 65 | 1'37.436 | BS | 62 |
7 | 12 | TEAM IMPUL | 安田 裕信 | ヤン・マーデンボロー | 40.435 | 65 | 1'37.646 | BS | 6 |
8 | 19 | LEXUS TEAM WedsSport BANDOH | 関口 雄飛 | 国本 雄資 | 42.295 | 65 | 1'37.821 | YH | 12 |
9 | 24 | KONDO RACING | 佐々木 大樹 | ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ | 1:07.194 | 65 | 1'38.167 | YH | 2 |
10 | 38 | LEXUS TEAM ZENT CERUMO | 立川 祐路 | 石浦 宏明 | 1:18.578 | 65 | 1'37.668 | BS | 58 |
11 | 16 | TEAM MUGEN | 武藤 英紀 | 中嶋 大祐 | 1Lap | 64 | 1'37.488 | YH | 4 |
12 | 64 | NAKAJIMA RACING | ベルトラン・バゲット | 松浦 孝亮 | 1Lap | 64 | 1'39.211 | DL | |
13 | 6 | LEXUS TEAM LEMANS WAKO'S | 大嶋 和也 | アンドレア・カルダレッリ | 3Laps | 62 | 1'37.583 | BS | 60 |
14 | 1 | LEXUS TEAM SARD | ヘイキ・コバライネン | 平手 晃平 | 15Laps | 50 | 1'37.206 | BS | 30 |
15 | 8 | AUTOBACS RACING TEAM AGURI | 野尻 智紀 | 小林 崇志 | 62Laps | 3 | 1'42.919 | BS | 6 |
天候:晴 | コース:ドライ