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2021 AUTOBACS SUPER GT Round2 たかのこのホテル FUJI GT 500km RACE

第2戦 FUJI

予選 5月3日(決勝 5月4日(
RACE
DATE
CIRCUIT
WEATHER
RESULT
2021 AUTOBACS SUPER GT Round2『たかのこのホテル FUJI GT 500KM RACE』
予選:2021年5月3日 決勝:2021年5月4日
富士スピードウェイ(静岡県) 
予選:曇り/ ドライ  決勝: 晴れ/ドライ
公式練習:3番手 予選:15番手 決勝:4位

シーズン2戦目を迎えたSUPER GT。5月3、4日には静岡・富士スピードウェイにおいて「たかのこのホテル FUJI GT 500km RACE」が行われた。No.1 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/武藤英紀/牧野任祐組)は、予選15位からのスタートから500kmの長丁場を戦い抜き、4位入賞と健闘。チームの底力を遺憾なく発揮している。



RACE

好天に恵まれた決勝日。サーキットからは連日、まだ雪化粧が残る富士山が美しい姿を見せ、レース関係者はもちろんのこと2年ぶりとなる5月開催の観戦に訪れたファンの目をも楽しませた。

午後1時を前に、ウォームアップ走行がスタート。20分のセッションで決勝への最終確認が行われ、まず、牧野選手がNo.1 STANLEY NSX-GTに乗り込み、タイヤのスクラブだけを行い、残り時間は山本選手が周回を重ねている。

ダミーグリッド上でのスタート進行を経て、午後2時30分には500km・110周に向けてフォーメーションラップがスタート。2周後にグリーンフラッグが振られると、山本選手はすかさずポジションアップの好機をつかみ、オープニングラップは13番手へ浮上する。
また、前方1台の車両トラブルで停止したことを受け、セーフティカー(SC)が導入された3周目には10番手に、そしてSC明けのリスタートで9番手につけると、安定したペースで周回を重ねて30周終わりで1回目のルーティンピットを行った。

早くも序盤に、最後尾スタートからトップ10圏内へとポジションアップを果たす力走を見せた山本選手。ステアリングを受け取った牧野選手もそのパワーを引き継ぐようにコースインした。その直後には、1台の車両からタイヤが外れ、この処理のために今シーズンから新たに導入されたFCY(フルコースイエロー)が発動され、各車が前後車両とのギャップを保ち、コース上を速度制限の80kmで周回することになったが、牧野選手は落ち着いてこの事態を消化。FCY解除後の35周目には、レースでのチームベストタイムとなる1分29秒544をマークする走りを見せた。
その後、ライバルたちがルーティンのピットインを実施。結果、全車1回目のルーティンが終わった時点で、No.1 STANLEY NSX-GTは5位までポジションを上げる躍進を見せた。レースはその後、47周目に2回目のFCYが発動。
直接ポジション争いに影響はなかったが、60周を迎える頃には前方車両と差を詰めて1.5秒を切る状態となり、62周目には逆転に成功。4番手へ。
結果、復帰初戦で安定した速さと競る走りを見せた牧野選手は69周終了時点でピットイン。山本選手へとバトンを委ねた。

レース終盤の戦いへと向かった山本選手。コース上のGT500車両すべてのルーティン作業が終わると、No.1 STANLEY NSX-GTは5番手からの追い上げに身を投じることになった。目前にいるのは14号車Supra。4秒近くあった差をじわりじわりと削りながら、逆転のチャンスを伺って走行を続けていく。だが、終盤は気温、路面温度がスタート時に比べて大きく下降。思うようなグリップを得ることができず、またメインストレートではSupra勢の速さが際立ち、しばし厳しい戦いを強いられた。
そんな中、96周目に3度目のFCY発動となり、その2周後に解除されたが、上位2台にハプニングが発生。1台はマシントラブル、1台はドライブスルーペナルティの対象となり、表彰台争いから離脱。これによって、No.1 STANLEY NSX-GTは残り10周の時点で3位へとポジションを上げることになった。

大詰めを迎えた決戦。しかし、ここからの10周がNo.1 STANLEY NSX-GTにとってさらにタフな戦いとなる。背後から37号車Supraが猛攻、ストレートスピードに物を言わせて攻防戦へともつれ込む。山本選手と37号車のペースは、トップ2台よりも速く、手に汗握るバトルが続く。だが、残り2周、最終コーナー立ち上がりで背後につけられ、メインストレートから1コーナーへの飛び込みで先行を許してしまった。結果、ポジションを落とすことになったが、山本選手はなおも懸命に37号車を猛追。最後の最後まで諦めない走りで4位のチェッカーを受けている。

最後尾スタートから4位入賞をもぎ取ったNo.1 STANLEY NSX-GT。
大きくポジションアップを果たしたことに違いはないが、本来のポテンシャルを考えれば、さらに好成績を残せた可能性が高いだけに、悔しさが先行する結果でもある。第3戦鈴鹿大会までのインターバルは短く、慌ただしい中での準備となるが、次戦こそチームの実力を存分に発揮するため、さらなる邁進を目指す。

◎高橋国光総監督 決勝での追い上げは、表彰台には一歩届かずとチームは悔しい想いをしているはずですが、すばらしいレース展開を見せてくれたと思っています。
牧野選手が無事にチームに戻り、彼らしいアグレッシブな走りをこの第2戦で見せてくれて安心しました。それと同時に、ここまでマシンを作るのに貢献してくれた武藤選手にも感謝をしています。レースの運びがさすがであった山本選手を筆頭に、チームのドライバーたちの素晴らしい走りと、チームの力強さがファンの皆様にも証明された一戦だったのではないでしょうか。一戦一戦ポイントを獲ることを大事に、次戦は更に表彰台という良い結果に結びつけられるよう、引き続きチームは精進して参ります。
次戦も応援よろしくお願い致します。
◎山本尚貴選手 最後尾から追い上げでポジションを上げ、表彰台圏内で走ることができました。 残念ながら、最後はその圏内からこぼれて4番手に終わってしまいとても悔しい気持ちでいっぱいです。一方で予選で失敗してしまい後方からのスタートになったので、もし前からスタートが切れていれば、もう少しレースの展開も変わっていたと思うので、チームと牧野選手には申し訳ないと思ってます。次の鈴鹿はチームとしてもまた僕自身も、得意としているサーキットですので必ず優勝できるようにがんばります。
◎牧野任祐選手 今回、最後尾からのスタートだったので、レースではいい追い上げができたのかなという気持ちはあります。
一方で、勝つチャンスもあったかと思うと複雑な心境でもあります。
その中でFCYのタイミングなどは自分たちにとってはいい方向にはならなかったし、ちょっと噛み合わない部分もありましたが、戦闘力としては十分にあることがわかりました。次の鈴鹿では、チーム一丸となって優勝できるようにがんばります。
◎小島一浩監督 レースでは序盤にポジションを上げ、その後、牧野選手に繋いでからもライバルより優位性がある戦いはできていました。今回のレースで僕らは3スティンととも同じタイヤを選択したのですが、第3スティントで気温、路面温度ともに下がったため、タイヤの発動が少し足り なかったようです。そういうこともあり、せっかくトップ争いをしていても、ストレートが速いSupra勢には絡むことができなかったですね。

最後もあのスピードを防ぐことはできませんでした。最下位からの4位なので結果だけを見れば良いものですが、3位を取りこぼしたことが今はすごく悔しいです。
一方、今大会から牧野選手がレースに復活したのはとても喜ばしいことでした。また、今年最初からいろいろ準備に携わってくれた武藤英紀選手の協力があってここまで来れたので、武藤選手にはとても感謝しています。レースで表面化した問題点をしっかり改善し、次の鈴鹿に挑みたいと思います。
qualifying

通常、土・日曜で実施されるレースイベントだが、今大会はゴールデンウィーク中の開催のため、変則的な日程さらには2年ぶりの500kmでの実施となった。公式練習および予選が行われた3日はやや冷たい風が吹く中でのセッションとなったが、日差しにも恵まれたレース日和となった。

なお、開幕戦岡山後、チームクニミツでは鈴鹿サーキットでのタイヤテストに参加。この機会に病気療養を終えた牧野選手もステアリングを握り、この富士戦に向けて静かに”リスタート”。復帰を待ちわびた本人はもちろんのこと、チームにとって、またファンにとっても喜ばしいニュースとなっている。

午前9時5分、公式練習がスタート。気温16度、路面温度22度の中、青空が広がる富士のコースへと姿を現したNo.1 STANLEY NSX-GT。そのコクピットにはまず山本選手が収まり、周回を重ねて持ち込みのセットを確認し始める。その山本選手は小一時間ほどドライブを担当。自身のスティントの終盤に自己ベストタイム1分28秒444をマークし、牧野選手へとステアリングを委ねた。

昨シーズンの最終戦以来のレース参戦となる牧野選手。感触を確かめるようにコースへと向かうと、順調にGT300クラスとの混走セッションを終え、一旦ピットへとクルマを戻した。さらに、GT500クラス専有走行にも引き続き出走した牧野選手。
10分間のセッション終盤にはアタックシミュレーションにトライ。その周、他車とのトラフィックにかかりアクセルを緩めたものの、翌周に再トライ。
これで1分27秒909のチームベストタイムをマークし、最終的に3番手でセッションを終えることになった。

予選に向けていい流れを構築できたNo.1 STANLEY NSX-GT。
チームでは、午後3時3分にスタート予定のノックアウト予選Q1に向け、改めて調整作業に取り組み、山本選手がアタックを担当する。

コースインのタイミングを見計らい、満を持して計測4周目でのアタックへと向かった山本選手。ところがその最中に思わぬミスが出てしまい、コースオフ。
タイムアップならず。Q1どまり、まさかの15位からのスタートを強いられる結果となった。

今回、久々の実戦となった牧野選手。無事に予選日を終えて「練習で確認したレースペースも悪くはないし、明日はレース距離も長いので、レースでしっかりとポジションを上げられるよう頑張りたい」と自身にとって今季初レースに向け意欲を示した。一方、予選で悔しい思いをした山本選手。「今朝の走行からプログラム通りに進み、順調に作業ができていたのですが、大きな失敗をしてしまった」とのこと。「練習走行時にタイヤの選定とクルマの確認もでき、それに対しての自信もあったので、十分にポールポジション争いができると思っていました。予選順位は本来のクルマのパフォーマンスでのポジションではない」と肩を落としたが、「ひとつでも前でゴールすること以外、仕事はないと思っています。今日失敗した分も含め、明日はいい走りができるように頑張ります」と気持ちを切り替えた。

手堅く粘り強い戦いを目指す!


4月上旬の開幕戦からほぼ一ヶ月のインターバルを置いて迎えるSUPER GTシリーズ第2戦。初戦の岡山から静岡・富士スピードウェイへと移る戦いは500kmの長丁場になる。条件的にまだまだライバルとの差が少ないうちに手堅く、好成績を残すことがなによりも大事な一戦になりそうだ。

岡山では順調に公式練習を済ませ、午後からの予選に向けてもいい流れを構築していたNo.1 STANLEY NSX-GT。メニューに沿ったアプローチで自信を持ってノックアウト予選に挑むも、蓋を開けてみればスープラ勢が驚きの速さを見せつけ、思わぬ結果に甘んじる。それはまるで、チームとして、またNSX-GT勢として不意打ちを喰らったかのようだった。一方、決勝になるとドライバーが揃ってミスのない冷静な判断と果敢な攻めの走りで、ポジションアップに成功。まさにチーム一丸となって手にした8位入賞だった。

迎える富士に向けては、初戦の予選、決勝を通して見えてきたライバルとの勢力図を踏まえた上での対策が急がれる。現状では、コーナリングでライバルより秀でたスピードを披露できるが、逆にストレートではどうしてもライバルに分がある。長いメインストレートを誇る富士のコースレイアウトを考慮すれば厳しい展開になることが予想されるが、500kmという長い戦いを味方につけるべく様々な点から対処し、粘り強く戦うことになるだろう。一方、オフシーズンでのタイヤテストを経て、より信頼性の高いタイヤでの戦いが可能となっていることは、チームにとって持ち前ともいえる「予選での速さと決勝での強さ」を存分に発揮するチャンスに直結するはずだ。

ますます僅差の戦いになっているSUPER GTでは、一戦一戦の小さな積み重ねが今や何よりも大事。今シーズンは最終戦の舞台が富士だけに、今大会は、これからの長い激戦に向けたシーズン序盤のカギになることだろう。

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