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2024 SUPER GT

2023 SUPER GT

シビックでの初タイトルを目指すも、”あと一歩”の重みを痛感

 新たにリリースされたシビック・タイプR-GTを投入して挑んだ2024年SUPER GTシリーズ。チームクニミツにとっては、ニューシビックでのチャンピオン獲得というビッグチャンスの到来でもあった。万全の体制でシーズンを迎えた山本尚貴、牧野任祐両選手のコンビも早や結成5年目。ますます両者のコミュニケーションにも磨きがかかり、より強固に。チームもまた、2020年に掴み取ったタイトルの奪還を達成すべく、真摯に戦いへと臨むことになった。

 シーズンインに先立ち、一部レギュレーションが見直されることになったが、主な変更点は使用タイヤセット数と予選方式。ドライコンディションの場合、前年よりも1セット少ないセット数となり、予選はQ1とQ2で各選手が刻んだベストラップを合算し、スターティンググリッドとする形が採用された。なお、開幕戦から第4戦まではQ1、Q2を通して予選で使用できるタイヤは1セットに限定されていたが、以後レギュレーションが改定され、ともにニュータイヤを装着してのアタックが可能となった。

 一方、レースウィークの天候においては、8月末に実施される予定だった第5戦が台風接近の影響を受けて延期となり、12月開催へ。最終戦を終えたのは、例年よりおよそ1ヶ月遅いタイミングとなった。加えて、第6戦以降は天候不順によるスケジュールの変更などイレギュラーな展開が続き、いつになく慌ただしいシーズンだったといえる。

 岡山国際サーキットで迎えた開幕戦は、季節はずれの暑い天候に。ニューシビックのデビューレースでまず予選3番手を獲得すると、決勝でもポジションアップを狙って速さと強さを披露した。再三にわたり、逆転のチャンスを伺いながら周回を続けたが、惜しくも逆転は果たせず。予選と変わらぬ3位ではあったが、ホンダ勢ベストとなる結果を手にし、早速シビックに表彰台をもたらす活躍を見せた。

 大型連休中に開催された第2戦は富士スピードウェイが舞台。SUPER GTとしては、初めての3時間レースでもあった。霊峰富士にはまだ残雪があり、麗しい姿が眺められる好天気のなか、予選6番手から戦いに臨んだレースでは思うようなペースアップとはならず、表彰台争いには絡めず。総体的にスピード不足に悩まされたが、粘り強く戦いを続け、7位でチェッカーを受けた。

 鈴鹿サーキットで迎えた第3戦は予選と決勝で天候が変わる難しいコンディションでの一戦に。晴天の予選では、タイヤマネージメントを意識した走りが求められるなか、10番手を獲得。一方、レースは決戦直前にひと雨が降り、コンディションが急変したものの、瞬く間にコンディションが回復。ドライコンディションでの戦いが可能となったが、落ち着かない状況のなか、思うようにクルマのパフォーマンスを引き出せず苦しい展開となり、2戦連続で7位という結果に終わった。

 連続して入賞は果たしているものの、さらなる上位での結果を求めて挑んだ第4戦。シーズン2度目の富士は曇天の予選となり、シーズンベストの2位を獲得。翌日の決勝に向けて大きく期待が膨らんだ。その350kmでの戦いは、厳しい暑さに見舞われてタフな状況に。サクセスウェイトも足かせとなって、なかなかスピードを活かす走りはできなかったが、着実かつミスのない走りが結実。与えられた状況のなかで最善の仕事をやってのけ、2位表彰台を獲得する結果となった。

 夏の決戦として迎える予定だった第5戦鈴鹿。シビック勢トップ、また総合ランキング2番手で350kmの一戦に向けて準備を進めていたが、台風10号接近の影響を受けてイベントは中止となり、12月へ延長に。そして迎えた第6戦はスポーツランドSUGOでの開催。秋の訪れとともに秋雨前線も到来し、残念ながら悪天候のなかでレースウィークを過ごすことになった。予選日は、天候不良により公式練習のみ走行が行なわれ、予選はキャンセルに。結果、公式練習での各ベストラップをスターティンググリッドにして、レースがスタートした。小雨降るウェットコンディションのなか、11番手からポジションアップを目指して手堅く戦いを進め、路面の回復に合わせるかのようにして追い上げに成功。5位で難しいレースを乗り切った。

 シーズン終盤戦を迎え、ランキング3位、ホンダ勢としてはトップで第7戦オートポリスに挑んだが、またしても天候不良の一戦に。予選日はまったく走行することなく終了し、ワンデーで予選と決勝を行なうという落ち着かないスケジュールとなった。予選7番手からスタートを切った決勝は、FCY(フルコースイエロー)やSC(セーフティカー)が断続的に導入される荒れ模様。僅差のポジション争いを続けて表彰台の一角を死守すべく奮闘したが、大終盤に逆転を許し4位に。その一方で、シリーズランキングでは3位、かつランキングトップとの差を2点差へと縮める粘りの戦闘力を披露した。

 第8戦ながら、最終戦ではない戦いを繰り広げたモビリティリゾートもてぎでの一戦。サクセスウェイトもリストリクターの制約もまだ残り、さらに予選は本降りのウエットコンディションとなったが、9番手を獲得した。決勝では天気が好転。粘り強くポジション争いを続け、6位でフィニッシュ。ランキング暫定2位を保ったまま、最終戦鈴鹿へと望みを託すことになった。

 迎えた第5戦鈴鹿。事実上の最終戦は12月の寒い冬空の下で繰り広げられた。逆転タイトルを手にすべく奮闘したが、暫定ランキングトップ車が予選でポールポジションを獲得。これにより、点数が大きく開くこととなり、シリーズチャンピオン獲得の夢が潰えた。一方、決勝は予選5番手からスタート。序盤から表彰台を狙ってのバトルが続き、観客を沸かせるパフォーマンスを披露。最後の最後まで粘りある走りを続けたが、惜しくも4位でシーズンラストチェッカーを受けた。結果、シリーズランキングは2位となった。

 ニューシビックでのチャンピオン獲得を目指して挑んだ今シーズン。厳しいレース展開に見舞われながらも、チームとして都度ベストな戦いを意識してポイント獲得に努めてきた。しかしながら、積み重なるサクセスウェイトによって本来の力を存分に出し切れず、結果的に”あと一歩及ばず”の展開が数多く見られた。ランキング2位とはいえ、目標であったニューシビックでの優勝の好機は訪れず、課題が残された。満足いく結果を求め、来シーズンは是が非でも優勝、そしてシリーズチャンピオンをターゲットに、速さそして強さをしっかりと発揮する戦いを披露していきたい。

RESULT / REPORT
  • OKAYAMA
  • FUJI
  • SUZUKA
  • FUJI
  • SUZUKA
  • SUGO
  • AUTOPOLIS
  • MOTEGI
GT500 DRIVER RANKING
Po No Driver Rd1 Rd2 Rd3 Rd4 Rd6 Rd7 Rd8 Rd5 Total
1
36
坪井 翔
山下 健太
23 8 6 4 8 4 21 23 97
2
100
山本 尚貴
牧野 任祐
12 4 4 17 6 8 5 8 64
3
3
高星 明誠
三宅 淳詞
5 22 3 5 11 4 4 54
4
38
石浦 宏明
大湯 都史樹
8 6 11 15 1 11 2 54
5
37
笹原 右京
ジュリアーノ・アレジ
4 23 1 20 3 51
6
12
平峰 一貴
ベルトラン・バゲット
5 8 6 11 6 11 47
7
39
関口 雄飛
中山 雄一
17 2 20 6 1 46
8
23
千代 勝正
ロニー・クインタレッリ
6 16 1 17 2 3 45
9
8
野尻 智紀
松下 信治
3 23 17 43
10
17
塚越 広大
太田 格之進
14 5 3 4 17 43
11
14
大嶋 和也
福住 仁嶺
3 16 8 2 3 6 38
12
16
大津 弘樹
佐藤 蓮
2 13 1 5 8 6 35
13
64
伊沢 拓也
大草 りき
1 6 4 11
14
24
松田 次生
名取 鉄平
2 3 3 8
15
19
国本 雄資
阪口 晴南
1 2 3 6
GT500 TEAM RANKING
Po No Team Rd1 Rd2 Rd3 Rd4 Rd6 Rd7 Rd8 Rd5 Total
1
36
TGR TEAM au TOM'S
23 11 9 7 11 7 23 23 114
2
100
STANLEY TEAM KUNIMITSU
14 7 7 18 9 11 8 11 85
3
3
NISMO NDDP
8 23 6 3 8 14 7 7 76
4
38
TGR TEAM KeePer CERUMO
11 9 14 18 4 14 5 75
5
12
TEAM IMPUL
2 8 11 9 14 9 3 14 70
6
37
TGR TEAM Deloitte TOM'S
7 2 23 4 23 6 3 68
7
39
TGR TEAM SARD
18 5 2 1 2 23 9 4 64
8
23
NISMO
9 18 3 3 2 18 5 6 64
9
8
ARTA
6 1 23 1 3 18 3 55
10
17
Astemo REAL RACING
14 8 6 7 1 18 54
11
16
ARTA
5 1 14 3 3 8 11 9 54
12
14
TGR TEAM ENEOS ROOKIE
6 18 11 4 5 1 8 53
13
64
Modulo Nakajima Racing
3 2 1 8 2 4 2 22
14
24
KONDO RACING
2 2 5 2 2 1 6 2 22
15
19
TGR TEAM WedsSport BANDOH
1 4 2 5 6 1 2 21
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