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2022 SUPER GT

2022 SUPER GT

有終の美で誓う、王座奪還

 コロナ禍でのレース開催も早や3シーズン目。STANLEY NSX-GTとしての2シーズン目を迎えた2022年は、馴染み深いゼッケン100を纏い、コンビ3年目となる山本尚貴選手と牧野任祐選手で挑むことになった。一方、シーズン開幕を控えた3月16日には、チーム設立者であり、ドライバーとして、また往年は総監督としてチームを牽引してきた高橋国光氏が急逝。大きな柱を失ったチームは悲しみに包まれることになったが、”国さん”が長きに渡り携わってきたレースへの情熱を皆で継承し、その思いを胸に刻んでシーズンを全うしようと誓った。

 2022年仕様の新型NSXを武器に、スタートダッシュを目論んだ開幕戦。その舞台となった岡山国際サーキットでの戦いは予選3番手と好位置から決勝に臨んだ。レース前半は、抜きどころの少ないコースレイアウトならではの我慢比べのような展開が長らく続き、ポジションキープを巡る戦いを強いられた。しかし、後半に入って導入されたFCY(フルコースイエロー)を境に、前方との差を縮めるとそこから確実にチャンスをモノにしていく。終盤は4位から激しい攻防戦を繰り広げると、2台逆転に成功。結果、2位でチェッカーを受け、幸先良いスタートを切ることになった。

 富士スピードウェイで迎えた第2戦は、450km、100周レースの戦い。開幕戦での結果により、サクセスウェイト30kgを搭載する中、まずは予選で7番手を手にする。一方、決勝は序盤からアクシデントが重なり、FCYやSC(セーフティカー)ラン導入を経て赤旗中断へと荒れ模様に。その流れはレース再開後も変わらず、のちにメインストレート上での大きなクラッシュへと至り、長時間に渡るレース中断を招くこととなった。結果、レース周回数は62周に留まる一方、最大延長時間いっぱいまで長引くという思いもよらぬ一戦となる。チームは、サバイバルの様相を見せた戦いの中で5位チェッカー。連続入賞を果たしている。

 5月末に鈴鹿サーキットで行なわれた第3戦は、夏本番と変わらぬ暑さとの戦いになる。予選アタックでは急上昇した路面温度に対して、タイヤを含むクルマのセットアップが噛み合わず。結果、ノックアウト予選Q2への進出を阻まれ、14番手に甘んじた。決勝日はより厳しい暑さの中で、またも序盤から荒れ模様に。FCYやSCの導入といった慌ただしい展開に加えて、中盤にはコース上でのタフなバトル、そしてFCY導入中のライバルからの追い抜きなど、極めて厳しいコンディション下での走行を強いられた。我慢のレースを続けた結果、予選からポジションを上げて9位でフィニッシュ。開幕からの連続入賞を果たしたものの、チームとしては、持ちうる力を存分に発揮できない悔しさが募った戦いでもあった。

 約2ヶ月に渡るサマーブレイクを挟んで迎えた第4戦。シーズン2度目の富士戦では、コロナ禍で遠ざかっていたサーキットサファリや静岡県警の白バイ、パトロールカーによるパレードラップなどが3年ぶりに実施され、久々にイベント色を感じさせるレースウィークとなった。一方、夏真っ盛りの時期だけに厳しい暑さとの戦いを覚悟していたが、予選、決勝日ともに気温がさほど上がらず、やや不意打ちを食らうコンディションに。そんな中、ノックアウト予選では0.031秒という僅差でQ2進出を逃す悔しい結果に終わり、中盤戦ならではの厳しさを痛感することになったが、決勝では450km・100周の長丁場からのポジションアップを目指して9番手から粘りの走りを続けた。しかしながら、決勝でも思うようにペースアップが果たせず、我慢の展開。チームもまた策を練って対処するも、結果として存分に実力を発揮できないまま8位でチェッカーを受けている。

 後半戦初戦となる第5戦鈴鹿。開幕戦で好スタートを切ったものの、それ以降やや停滞が続いていることを踏まえ、チームでは現状を打破しようと強い意思を持って戦いに臨んだ。450kmレースは今シーズン3度目の開催となるが、この大会では真夏の暑さとの戦いも加味しつつ、さまざまな面からアプローチを進めて予選8位につけた。決勝では着実なレース運びと戦略を味方にして、ポジションアップに成功。レース後半はSCランやFCY導入とまたしても落ち着きのない状況になったが、その中で上位争いに加わるなど力強い走りを披露し、5番手でファイナルラップを迎える。だが、ゴール間際の130Rでまさかのコースアウトを喫し、クラッシュ。マシンのダメージも大きく、チェッカーを受けることなく11位で戦いを終え、開幕戦から続く入賞も途絶えてしまった。

 シーズン中盤の締めくくりとなる第6戦はスポーツランドSUGOが舞台となる。9月中旬の東北戦ながら、蒸し暑さが先行するコンディションとなったが、予選では改善されたセットアップを活かして開幕戦以来となる3番手のポジションを獲得。久々の表彰台を意識し、決勝に挑んだ。ところが、レースでは残暑厳しい中で天候が急変し、タイヤ選択に頭を悩ませる展開となり、加えてコースコンディションも落ち着かず、ピットインのタイミングに左右される形に。思わせぶりな天候に翻弄され、クルマ本来のパフォーマンスやチーム力を存分に発揮できないままレースはチェッカーを迎えることとなり、8位に留まるという悔しい結果になった。

 シーズンも大詰めを迎え、第7戦オートポリスではこれまでのサクセスウェイトが半減。またセットアップの幅も広がるなど、ポテンシャルの向上を追い風に、力強い戦いへの期待が膨らんだ。すると予選ではその思いが形となり、予選2番手を獲得。しかもトップとは0.188秒差という小差だった。秋晴れのレース日和に恵まれた決勝では、ドライバー、チームの総力が存分に発揮され、序盤から優勝を目指して周回を重ねていく。レース後半、FCY導入によって後続との差が縮まり、終盤は2位の座を巡って手に汗握る激しい攻防戦となったが、巧みな駆け引きでライバルを抑制。開幕戦以来となる2位表彰台に上がった。

 ランキング4位で迎えた最終戦もてぎ。タイトル獲得の可能性を残す中、ノックアウト予選ではチームの総合力が炸裂する。まず、Q1で山本選手がトップ通過を果たすと、Q2担当の牧野選手も各セクターでベストタイムを連発し、コースレコード更新する形でトップタイムをマーク。牧野選手にとって自身初となるポールポジション獲得を果たすことになった。ホンダのホームコースで理想的な位置からスタートを切った決勝。穏やかな小春日和をも味方にして、トップで周回し始めたが、早くも序盤に多重クラッシュが発生、FCY導入を経てSCランと目まぐるしく変化した。しかし、リスタート後も力強い走りを続けると、順調にルーティンワークもこなしてトップの座をキープ。コース状況、クルマのコンディション、そして後方からプレッシャーをかけるライバルとの駆け引き……これらすべてを見事にコントロールし、文句なしのトップチェッカー!! 自分たちのレースを完遂させ、待望のシーズン初優勝をポール・トゥ・ウィンで達成している。

 最後の最後まで諦めることなく、厳しい戦いに挑み続けた2022年シーズン。高橋総監督に捧げる勝利によってランキングはホンダ勢トップの3位となり、チームの総合力を存分に発揮できたと言える。だが、チームクニミツが狙うのはシリーズ制覇ただひとつ。そのために何が必要であり、どうアプローチすべきかを明確にしてさらに力強く前へと進まなければならない。2023年シーズンは、再びその頂点に立つことをより強く意識して戦いを続けていきたい。

RESULT / REPORT
  • OKAYAMA
  • FUJI
  • SUZUKA
  • FUJI
  • SUZUKA
  • SUGO
  • AUTOPOLIS
  • MOTEGI
GT500 DRIVER RANKING
Po No Driver Rd1 Rd2 Rd3 Rd4 Rd5 Rd6 Rd7 Rd8 Total
1
12
平峰 一貴
ベルトラン・バゲット
4 5.5 15 20 6 5 15 70.5
2
3
千代 勝正
高星 明誠
6 20 8 20 4 8 66
3
100
山本 尚貴
牧野 任祐
15 3 2 3 3 15 21 62
4
17
塚越 広大
松下 信治
2 1 15 1 15 20 6 60
5
14
大嶋 和也
山下 健太
21 2 3 4 8 11 49
6
37
サッシャ・フェネストラズ
宮田 莉朋
11 20 3 2 2 5 43
7
23
松田 次生
ロニー・クインタレッリ
11 4 7 15 37
8
39
関口 雄飛
中山 雄一
3 8 5 11 5 1 33
9
24
佐々木 大樹
平手 晃平
1.5 5 11 1 12 30.5
10
36
坪井 翔
ジュリアーノ・アレジ
5 7.5 1 8 2 1 3 2 29.5
11
19
国本 雄資
阪口 晴南
3.5 7 3 4 1 6 4 28.5
12
8
野尻 智紀
福住 仁嶺
1 10 4 6 3 24
13
38
立川 祐路
石浦 宏明
8 8 1 17
14
16
笹原 右京
大湯 都史樹
0.5 5 11 16.5
15
64
伊沢 拓也
大津 弘樹
4 4
GT500 TEAM RANKING
Po No Team Rd1 Rd2 Rd3 Rd4 Rd5 Rd6 Rd7 Rd8 Total
1
12
TEAM IMPUL
7 7 18 23 8 8 18 89
2
3
NDDP RACING
9 0.5 23 2 11 23 7 11 86.5
3
100
TEAM KUNIMITSU
18 4.5 5 6 2 5 18 23 81.5
4
17
Astemo REAL RACING
5 2.5 18 3 18 1 23 9 79.5
5
14
TGR TEAM ENEOS ROOKIE
23 3.5 6 7 2 1 11 14 67.5
6
37
TGR TEAM KeePer TOM'S
3 1.5 14 23 6 4 5 8 64.5
7
23
NISMO
14 5.5 3 1 9 18 1 1 52.5
8
39
TGR TEAM SARD
6 1.5 11 8 14 7 4 51.5
9
36
TGR TEAM au TOM'S
8 9 4 11 5 3 6 5 51
10
24
KONDO RACING
2 3 8 14 4 1 14 46
11
19
TGR TEAM WedsSport BANDOH
2 4 9 5 7 1 9 7 44
12
8
ARTA
4 11.5 7 9 2 1 2 6 42.5
13
16
TEAM Red Bull MUGEN
3 2 1 2 8 14 2 3 35
14
38
TGR TEAM ZENT CERUMO
11 1.5 1 11 1 4 29.5
15
64
Modulo Nakajima Racing
2 1.5 3 2 2 6 2 3 21.5
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