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2022 AUTOBACS SUPER GT Round3『たかのこのホテル SUZUKA GT 300KM RACE
予選:2022年5月28日 決勝:2022年5月29日
鈴鹿サーキット(三重県)
予選:晴れ/ ドライ 決勝: 晴れ/ドライ
公式練習:14位 予選:14位 決勝:9位
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初夏の陽気を通り越して、本格的な夏の天気となったSUPER GT第3戦鈴鹿大会。
5月28、29日両日とも、日中は強い日差しが照りつける厳しい暑さになった。36kgのサクセスウェイトを搭載するチームクニミツのNo.100 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組)は、予選14番手からスタートを切り、フルコースイエローやセーフティカーが幾度も導入されるレースを凌いで9位でチェッカー。厳しい戦いの中でポイントをもぎ取っている。
前日よりも暑さが増した決勝日。風も弱く、決勝はタフな戦いになると予想された。午後1時10分からのウォームアップを走行では気温29度、路面温48度のコンディション。決勝を迎える頃には気温は30度を超え、路面温度に至っては50度を刻むという夏日に。タフな条件が重なる中、No.100 STANLEY NSX-GTは持ち前のしぶとさを発揮し、粘り強く戦うことでポジションアップを狙った。
牧野選手がスタートドライバーを務め、まずオープニングラップを終了。3周目には逆バンクのコースサイドで12号車GT-Rが緊急停止。これを受けて早速FCY(フルコースイエロー)が導入されたが、程なくして解除となり、牧野選手は改めて14番手から追い上げを始めた。だが今度は10周目にGT300車両がシケインでクラッシュ。今度はセーフティカーがコースインし、序盤から慌ただしい展開に。レースは13周終わりでリスタートされたが、それから5周もすると早くもルーティンのピット作業を行うチームが出始めた。
No.100 STANLEY NSX-GTは、ライバルのピットインを尻目にしばし周回を重ねて23周終わりでピットイン。ドライバー交代の前には前方にいた23号車GT-Rを逆転し、10番手で後半の戦いを迎えることになったが、依然として23号車との攻防は続き、26周目にはシケインの飛び込みで2台は接触。幸いダメージもほとんどなく、レーシングアクシデントと判定された。
そんな中、27周目には2度目のFCYが導入されたが、このカウントダウンの際に減速したNo.100 STANLEY NSX-GTを23号車が逆転。そのまま先行されたため、チームはこれをGTAに報告したが、裁定はレース後だった。
最終的に23号車へは「FCY中の追い越し」の判定が下り、ペナルティとして決勝結果に40秒のタイム加算が課されたが、No.100 STANLEY NSX-GTとしてはFCY解除後のコース上で引き続き23号車に20周近く先行され、自分たちのレースができないという事態に甘んじる状況に陥った。
レースは終盤を迎え、No.100 STANLEY NSX-GTの前を依然として走行していた23号車が、ピットへ。これは、FCY解除時のGT300車両との接触に対して別途課されたペナルティを消化するためだった。
これでようやくNo.100 STANLEY NSX-GTは9位へと浮上。その後はチェッカーを受けるまで、ランキング争いでも競る14号車GR Supraを猛追したが惜しくも逆転には至らず。9位で戦いを終えた。
厳しい条件下でも、なんとかして少しでも多くのポイントを計上すべく総力をあげて戦いに挑んだNo.100 STANLEY NSX-GT。しかし、荒れた展開で発生したハプニングにより、チームの努力が水泡に帰す事態となった。結果、ランキングはトップから6点差の3番手に後退することに。第4戦までおよそ2ヶ月あるインターバルを最大限有効に使い、次戦への準備をしっかりと進めていきたい。
◎山本尚貴選手
決勝は9位という結果となりました。荒れたレースになりましたが、入賞圏外から追い上げ、ポイントを獲得することができました。クルマは前日からかなり良くなって、単独のペースであれば、かなりクルマのポテンシャルがあったと感じることができたのは良かったポイントだったと思います。
レースは、(FCY中に100号車を追いた)23号車(へのペナルティ)に関しては、裁定に対してちょっと腑に落ちないところと納得できないところがあります。ただ裁定した側、そしてジャッジする側の意見も尊重しないといけないので、結果を受け入れないといけないのですが、納得できない部分があります。なので、これからチームと共にそこを再度検証してもらおうと思っています。
いずれにせよランキングがまだ3位でトップとの点数も少ないですし、チャンピオンシップに向けて取りこぼさないということが大事なので、今回まずはそれをクリアすることができのが良かったです。また次のレースに向けてチームと一緒に、次こそ上位で戦えるように頑張りたいと思います。
また応援をよろしくお願いします。
◎牧野任祐選手
14番手スタートから9位でレースを終えました。レース前半はちょっとペースが上がらなかったこともありますが、FCYとかSCが入り、そのタイミングで前車との差が詰まって、(ピットイン可能な)ミニマムの周回数が来ました。でも一番後ろだったこともあって(ピットインのタイミングを)引っ張る作戦を採りました。
その時のペースはとてもいいわけじゃないけれど、悪くもなくて……結果的には厳しい鈴鹿ラウンドになったかなと思います。
まだランキングも3位で、次はまた富士になるんですがサクセスウェイトが次は40kgになりますが、まだ戦えると思いますし、チャンピオンシップに向けてポイントをしっかり獲るように頑張りたいと思いますので引き続き応援して下さい。
◎小島一浩監督
14番手からの追い上げにつき、いろんな戦略を考えていました。ミニマムでのピットインでアンダーカットを狙うのではなく、今回はサクセスウェイトの影響もあるので、他車とは異なる戦略で少しでもタイムを稼ごうと思いました。選択したタイヤはソフトだったのですが厳しかったですね。難しいレースになり、山本選手が担当した後半はハードタイヤに替えました。
後半の23号車との件は、23号車がその後GT300車両と接触したので、すぐペナルティが出ると思っていましたが、何の動きもなかったので検証をお願いしました。GT300との接触に対してはドライブスルーペナルティが課せられ、最終的に23号車はピットに入ったのですが、僕らはその間、18周にわたって先を塞がれることになったので、もうこれでレースが終わってしまった……という感じでした。最後はすごくいいペースで走ることができたので、おそらくもっと前でレースができたはずです。次の富士まで2ヶ月ほどの時間があるので、もう一度自分たちがやる”強いレース”をどうやって行うか、しっかりと作り上げていきたいと思います。
薄曇りながら強い日差しが差し込んだ鈴鹿サーキット。本来のスケジュールより5分遅れとなる午前9時30分からの公式練習は、気温26度、路面温度36度というコンディションで幕を開けた。雲が幾層にも重なった夏空の下、まずはGT300クラスとの混走枠で牧野任祐選手がコースに向かう。持ち込みセットの確認やロングランを重ね、開始から30分強が過ぎたじてんでアタックシミュレーションを行った牧野選手。1分47秒333の自己ベストタイムをマークしてピットに戻ると、山本尚貴選手に交代した。
気温、路面温度ともに上昇するコンディションで走行し始めた山本選手は、GT500クラス専有走行のセッションに入るとアタックシミュレーションを開始。ところが残り3分、西コースのストレート先でトラブルを起こした1台がコースサイドに停止。すぐさま赤旗が提示されセッションがストップ。あいにくこのままセッション終了を迎え、山本選手はアタックチャンスを失うことになり、No.100 STANLEY NSX-GTは14番手で公式練習を終えた。
サポートレースでの赤旗中断の影響を受け、スケジュールが遅延。午後からの予選は当初から10分遅れのスタートとなり、ノックアウト予選Q1が午後3時28分から始まった。No.100 STANLEY NSX-GTのステアリングを握ったのは、山本選手。
気温28度、路面温度に至っては44度まで上昇。選択したタイヤと路面状況のマッチングが気になるところだ。
コースインのタイミングを見計らいつつ、アウトラップを経てウォームアップを行い、アタックラップに入った山本選手。1分45秒640のタイムを刻んだが、思うようにタイムが伸びず。結果、Q1は通過ならず。山本選手によると、公式練習ではアンダーステアが少し強かったことから、その調整をしてセッション最後のアタックシミュレーションを行う予定だったが、赤旗終了の煽りを受けて確認する機会もないまま、予選に挑むことになったという。「僕自身、アタックをうまく
まとめられなかったのが一番の要因なので、チームにも申し訳ない」と予選後は悔しい表情を見せた山本選手。「明日の決勝では頑張ってポイントを獲れるようにレースを組み立てていきたいと思います」と前を向いた。また、牧野選手も「そもそも朝からあまり調子が良くなかった」と練習時を振り返った。「走り出しから苦労したのですが、予選に向けていろいろやったものの僕たちにとっていい方向には行かなかった。レースに向けて見直すところをしっかり見直して、決勝で追い上げたい」と健闘を誓った。
大荒れの一戦となってしまった前回の富士大会。450km・100周レースでの開催だったが、レース折り返しを前にして度重なるアクシデントが赤旗中断を招き、また、修復などの作業に長く時間を要した。これにより、レースは再開するもほどなくして最大延長時間を迎え、62周をもって戦いを終えることに。一方、チームクニミツは30kgのサクセスウェイトを搭載したNo.100 STANLEY NSX-GTで予選7位から戦いをスタート、5位チェッカーのリザルトを手にした。なお、今回は予定周回数の75%を満たしておらず、結果に対してハーフポイント授与による3ポイントが計上され、合計18点でランキングは2番手と変わりはない。
富士では初日の公式練習でクルマのセットアップ変更を重ね、予選に向けて調整を続ける作業が続いただけに、次の鈴鹿では、公式練習の時点からしっかりとした手応えを得て周回を重ねたいところ。岡山、富士とはコース特性も違い、テクニカルなハイスピードサーキットに適したクルマを用意する必要がある。また、36kgのサクセスウェイトを搭載するなかでその影響を感じさせない走りができるよう、今シーズンから解禁された空力開発とともにさまざまな改善策をもって臨むことになるだろう。
天候次第では気温も大きく上昇する頃だけに、クルマとタイヤのコンビネーションも気になる。さまざまな要素がレースの流れを左右すると考えられるだけに、シーズン序盤の締めくくりに位置づけられる鈴鹿の戦いは、ミスなく安定感あるパフォーマンスが求められるはずだ。