RACE
DATE
CIRCUIT
WEATHER
RESULT
|
2023 AUTOBACS SUPER GT Round3 SUZUKA GT 450km RACE
予選:2023年6月3日 決勝:2023年6月4日
鈴鹿サーキット(三重県)
予選:晴れ/ ドライ 決勝: 曇り/ドライ
公式練習:8位 予選:3位 決勝:5位
|
※本掲載は、「6月7日」現在での内容となります。
2023年SUPER GTシリーズ第3戦の舞台は鈴鹿サーキット。近畿〜中部地方の梅雨入り直後となる6月3、4日に開催されたレースにおいて、チームクニミツのNo.100 STANLEY NSX-GTは予選3番手を獲得。決勝は終盤からハイペースで追い上げを狙っていたが、残り19周の時点で大きなクラッシュが発生。赤旗中断を経てそのまま終了となり、5位入賞を果たした。一方、レース結果を巡って控訴が行なわれているため、現在の順位は暫定扱いとなっている。
予選日のような強い風は収まり、連日日差しに恵まれた鈴鹿サーキット。正午からのウォームアップ走行を前に気温は27度、路面温度に至っては45度まで上昇。450kmの長丁場において、どうタイヤをマネージメントし、優位にもっていくかがポイントになった。
午後1時30分になると、三重県警の白バイとパトカーの先導によるパレードラップが始まる。その後、フォーメーションラップを経て77周にわたる決戦が幕を開けた。No.100 STANLEY NSX-GTには牧野選手が乗り込み、第1スティントを担当する。その牧野選手はポジションキープでオープニングラップを終えたが、後続の1号車Nissan Zに差を詰められ、7周目のシケイン進入で逆転を許した。その後は4番手からの追い上げることになったが、その矢先、ヘアピンを走行するGT300車両のタイヤが外れるアクシデントが発生。車両が停止したため、フルコースイエローが宣言された。さらにその2分後にはセーフティカーが導入され、メインストレート上ではGT500、GT300クラスそれぞれにおいて整列を実施したのち、改めてGT500、GT300の順でフォーメーションラップを行なった。レースは12周終わりでリスタートすると、牧野選手はポジションをキープして走行を続けた。
最初のルーティンワークは28周目終了時に実施。山本選手へのドライバー交代をはじめ給油とタイヤ交換を済ませる”フルサービス”を行なう。また、34周終わりで最後1台のGT500車両がピットイン、全15台が1回目のピット作業を終了することとなり、No.100 STANLEY NSX-GTは7番手から中盤の戦いへと突入する。この時、足元にはスタート時と同じくハード寄りのタイヤが装着されていたが、スタート時に比べて気温は2度、路面温度に至っては11度も低下。ペースを上げることが難しい状態ではあったが、粘りの走りで7番手のまま周回を重ねた。2回目のピットインは、47周終了時に実施。山本選手がダブルスティントを担当するため、ドライバー交代はせずに給油とタイヤ交換のみでコースに復帰する。なお、タイヤはソフトタイヤを選択。これで速さを活かす走りが可能となり、ひとつまたひとつとポジションを上げていった。
レース終盤に向かうなか、6番手につけたNo.100 STANLEY NSX-GTは目前の23号車Nissan Zを猛追。さらにその前には1号車Nissan Zがおり、大逆転のチャンスが訪れる。
表彰台が視野に入るなかで攻めの走りを続けていたが、59周目にはシケイン手前でまさかのアクシデントが発生する。ポジション争い中のGT300車両2台の後方から23号車が近づき、3台が並走。中央にいたGT300車両のフロントと23号車のリアが接触し、その勢いで態勢を崩した23号車が大クラッシュに見舞われる。これを受けてセーフティカーが導入されたがすぐさま赤旗提示が提示され、レースは中断となった。
23号車のドライバーは意識ある状態で無事救出されたが、大事をとって病院に搬送されることに。また、クラッシュで破損したタイヤバリア、ガードレールなどの設備修復に時間を要すること、またレース継続に必要な安全の保障が難しいことなどから、最終的に、レースはこの赤旗提示をもって終了することが発表された。
レース結果としては56周終了時点の順位が採用され、2度目のピット作業前にトップを走行していた3号車Nissan Zが優勝となり、No.100 STANLEY NSX-GTは暫定5位に。この結果に対し、全15チームのうち10チームが抗議を提出。これが受理され、ピット作業が未消化だった3号車には競技結果に60秒が加算される。No.100 STANLEY NSX-GTの順位には変化はなかったが、3号車がタイム加算に対して抗議を提出。大会審査委員会がこれを却下したため、この裁定結果に対して3号車が控訴を行なうという意志を書面で表明した。よって、レース当日に正式結果が出ることはなくなり、現在は暫定結果のまま留保されている。
クラッシュ発生により負傷したドライバーが大事に至らずに済んだことは幸いではあったが、赤旗でのレース終了は、戦いの行方を見守っていたファンの方々にとって残念な結末でもあった。一方、No.100 STANLEY NSX-GTとしては、”強い戦い”を追求し、チームの総合力をフル活用してレースに挑んだ2日間となった。このあとは、第4戦富士までの長いインターバルを有効に使い、シーズン中盤戦以降の戦いに向けてしっかりと準備を進めていくことになる。
◎小島一浩監督
レース内容としては赤旗中断となり、残念な結果でした。レースは序盤に装着したタイヤがマッチングせず、ポジションを落とすことになりましたが、中盤以降はうまくアジャストできたので、追い上げてポジションを上げて行こうと思っていました。そんななかであのようなアクシデントが起こってしまったので、僕らにとっては残念な結果となりました。ただ、大きなアクシデントながらドライバーが無事で良かったです。
次の第4戦までしばらく時間が開きますが、休むことなく次の富士に向けて全力で準備して臨みたいと思います。引き続き、応援よろしくお願いします。
◎山本尚貴選手
残念な形でレース終了となりました。100号車としては、最初からちょっとペースが上がりにくいところがありました。
僕は第2、第3スティントを担当したのですが、第2スティントでは牧野選手がスタートで装着していたものと同じハード側のタイヤを装着したところ、少し硬すぎた感じでペースを上げられませんでした。
そこで第3スティントではソフトタイヤを選択したのですが、かなりタイヤもクルマのコンディションも調子良く走ることができたので、前の車両を追い詰めていくこともできました。
そんななか、目の前で大きなアクシデントが発生し、その車両から外れたタイヤが飛んできて100号車のルーフに当たってしまったのですが、なんとか最後までクルマを走らせることができたのは良かったと思います。しかしこういう終わり方は誰も望んでいなかったので、残念だという気持ちもあります。次の鈴鹿戦もそうですがその前に富士でのレースに向けて、またしっかりと仕切り直してチームのみんなと一緒に頑張りたいと思います。引き続き応援をよろしくお願いします。
◎牧野任祐選手
担当した第1スティントではペース自体は悪くはなかったのですが、GT300クラスとの絡みや混雑の中で走るとタイヤのピックアップも多くて、ペースを上げられるときとそうでないときの差がありました。ただ、全体としてはペース良く走ることができました。
(山本)尚貴さんに繋いで、後半はいいレースができるのではと思った矢先、大きなクラッシュがありました。
ドライバーが無事だったことは良かったの一言につきます。レースではこういうアクシデントがつきものだと思いますが、危険が伴うことを改めて実感することとなりました。
改めて気を引き締めてレースをする必要があると思いました。赤旗中断のままレースが終わったので、お客さんには申し訳ないと思いますが、次戦以降も応援していただきたいのでサーキットでお待ちしていますので、ぜひお越しください。